ブルースター４ (ページ32)

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樹「お前は本当に…」

壱馬「言っとくけど、俺はそいつに忠告してあげたちゅうわけ。無駄な感情は捨てましょうってな」

樹「はぁ？…」

藤原くんは、自分の後ろにいる私を見た。
私は何も言えず、ただ耳を押さえたままで、下を向いていた。
悔しい…。わかってたのに…無駄だって、わかってたのに。

樹「…何言ったかは知らないけど、壱馬」

藤原くんはもう一度、川村くんに視線を戻した。

壱馬「はい？」

樹「これ以上…嫌がってる人間にそういうことを言うのは、やめろ」

壱馬「…はいはい」

真剣に、藤原くんは言ってくれた。
でも反対に…溜息を吐いて、川村くんは言った。

壱馬「でも…佐藤」

葵唯「…」

呼ばれたのは、知ってる。
けど、返事はしなかった。

壱馬「最後に傷つくんはお前やちゅうこと、覚えとけや」

それだけを言うと、川村くんは私達に背を向けた。

樹「お、おい…壱馬！」

壱馬「先に職員室行っとくわ。俺はそいつを助けるなんてことはせーへんから、後でちゃんと連れてきぃや」

樹「……」

川村くんの言葉に、藤原くんは返事をしなかった。
ただ、その背中だけ見てた。

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