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樹「…」
川村くんを、藤原くんは黙ったまま見ていた。
川村くんの性格を理解している藤原くんだからこそ…何も、言えないのかも。
壱馬「…まあ、そこにいる顔だけ女は…樹には逆らえへんみたいやけど？」
樹「…え？」
葵唯「…ちょっと待って。何その言い方」
藤原くんの反応よりも何よりも、川村くんの言い方が私は気に入らなかった。
顔だけ女も、性格ブスも…今まで何度も言われたことはある。それが私の性格だから、何も気にしてはいない。今だって、同じ。気にしたって意味がないことだから。
だけど…問題は、後の言葉。何であいつに、あんなこと言われないといけないの。
壱馬「あれ。顔だけ女って気に入らへんかった？」
葵唯「それもそうだけど…」
壱馬「…あぁ。樹には逆らえへんってとこ？あれ、違ったん？」
今の川村くんの表情は…私には悪いなんて、思ってない。
思ったことを言う。あの人はただ、それだけなんだ。
葵唯「…何であんたにそんなこと言われないといけないわけ？私がどう考えようが、私の勝手じゃない」
壱馬「そうやな…お前の勝手や。でも…」
葵唯「…でも、何」
壱馬「…俺を馬鹿にせーへん方がええよ？伊達に女と付き合ってきたわけやないから」
…どういうこと？
川村くんが女好きだって言うのは、なんとなくわかる…。今の生活では全然女といるところなんて見ないけど…それは寮のせい。
でも…何を、馬鹿にしたって…。
壱馬「…そんなに気になるんなら、教えてあげようか？」
樹「…おい、壱馬」
壱馬「大丈夫だって…なぁ、佐藤さん？」
私が必死に考えている間に、いつの間にか川村くんは私の目の前にいた。
…何？
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��→←ep.26 初めての恋がイライラとモヤモヤのせいで爆発した想い
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作者名：桜花 | 作成日時：2021年5月31日 0時
