ブルースター４ (ページ26)

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周りにいる他の女子が、「梅寮の人達ってカッコいい人多いよね」とか、男子が「梅寮さ、可愛い子多くね？特に佐藤さんとかさ」とか言ってるのも聞こえるけど…
何もかも、ため息しかコメントできません。…っていうか、ため息自体がコメントじゃないか。

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ある授業中。数学の時間で、担当は宮本だった。
あたし達梅寮の人間も、なんとなく今は何も問題を起こすことなく授業を受けている。

瀬口くんも、今はおとなしくしてる。
…そういえば、瀬口くんの席って長谷川くんの隣だったんだ。
…初めて知った。

宮本「で…次に、」

宮本も何かを気にすることなく、公式の説明をしている。
…教え方だけはわかりやすいからか、何かすっごい悔しいんだけど。

宮本「……おい、川村」

順調に授業が進む中、宮本が教科書を手にしたまま、後ろの辺りの席を見ながら、言った。
…また、何したの…川村くん。

壱馬「…ん？」

あたしは川村くんよりも前の席だから顔は見えないけど…声ははっきりと聞こえる。

宮本「ノートも取らずに何してるんだお前は。余裕なわけか？」

壱馬「…お前に指図される覚えないねん」

小さな声だったけど、川村くんははっきりとそう言った。

宮本「はぁ？」

…心の中で、この瞬間を呪った。
またやってくれちゃって…。

壱馬「それに、ノートぐらい見せてもらえば何とかなるちゅうの…いちいちいちいち口うるさいねん教師共は」

…終わった。
あたし達にまでとばっちり来るわね、これ。

宮本「…お前は、本当に反省することを知らないみたいだな。え？」

壱馬「お前の方が生徒を馬鹿にしたい願望でもあるん？もしかしてSなんか？俺どっちかと言えばSなんやわ。Mの生徒なら他をあたってや？」

…多分梅寮の皆、心の中で諦めてると思う。
この川村くんの度胸が、本当にすごいわ。

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