ブルースター４ (ページ3)

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陽向「大丈夫…だけど、痛い」

北人「だろうね…凄い音したもん。ドターンって」

陽向「あー。人の不幸笑った！」

北人「こんな些細な不幸なら、幸せ者だよ。ほら、立って」

終始笑顔で、吉野くんは応対をしてくれた。
私を立たせようと、手を差し出してくれた時も…ずっと。

陽向「ちぇー…じゃ、お借りします」

北人「どうぞ？」

ちょっと悔しかったけど、私は仕方なく、吉野くんの手を借りてたちあがった。
見た目では力もなさそうに見えるけど…全然違う。
私を立たせようと引っ張ってくれた彼の力は、すっごい強くて…反対に、私が前のめりになっちゃいそうだった。

北人「壱馬にプロって言われてるんだから、こんなところでヘマしたらプロ失格だよ」

陽向「っていうか私プロじゃないけど」

北人「あはは！まぁね…でも、僕達の中では一番詳しいからさ」

陽向「えー…何か掃除のプロって嫌なんですけどー？」

北人「文句言わないの。僕なんか、何も取り柄ないし」

陽向「え、そうなんですか？」

北人「だって…壱馬はバスケで、樹はサッカーが凄い上手いし、慎も勉強では負けなしだし。僕は…」

言葉が詰まった。
無言が続いてる…あれ、これ私何か言っちゃっていいの？
いや、駄目だ駄目だ…。

北人「身長が低いなんてコンプレックスでしかないもん。ね？何もない」

そ、そんな笑顔で言われても…。

北人「あ、喋り過ぎた。早く戻ろ」

陽向「え？あ、うん！」

吉野くんは滑るなんていうことを知らないまま、先に浴室を出た。
凄い…私なんて未だに注意が必要なのに！
だってたまに石鹸が床についたままなんだよ…。

けど、今回は私も滑ることなく出れた。
お願いですから最後の人、石鹸を流してください！
あれ？昨日のお風呂最後に入った人って…男子4人だよね？

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