ブルースター４ (ページ19)

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陽向「じゃ、いただきまーす！」

皆が座ると、陽向が真っ先に手を合わせて言った。
皆もまちまちだったけど、ちゃんと言っていた。

…でも、私はさっきのことがずっと頭に残ってた。
私が作ったって言ったオムライスを、何の迷いもなく選んでくれた藤原くんのこと。
私が気にし過ぎなだけかもしれないけど…あれは多分、中でも一番失敗したものだから。
それでも…迷わず、これって言ってくれた。

陽向「んーおいし！」

葵唯「本当だ…千晴、これ美味しいよ」

葵唯も、笑顔で言ってくれた。

千晴「あ、ありがと…」

樹「本当だ。美味い美味い」

北人「うんうん！」

皆、すごくおいしそうに食べてくれる。
…よかった。

椛「残したら罰があるからね」

壱馬「俺等は心配しなくても残さへんで」

慎「うん」

俺等って言うのは、おそらく男子っていうことかな。
育ち盛りだもんね。

葵唯「…うん、私達も心配無用だよね」

陽向「もちろんですよ！」

椛「…なら、いいんだけど」

皆、喋りながらもちゃんと食べてる。
いつもは作ってる人の気持ちなんて分からなかったけど…これって、すごくうれしいことなんだね。

葵唯「…ねぇねぇ、ケチャップどこ？」

樹「あ、ここにある。はい」

少し身を乗り出しながらも、藤原くんはケチャップを葵唯に渡した。

葵唯「あ、ありがと…」

…気のせいかな。
その時の葵唯の様子が、いつもと違って見えた。

物を受け取る手も、少し控え目だったし…
微妙に、藤原くんから目を逸らしてたし…
それに何より、少しだけ…
少しだけ、恥ずかしさが入り混じった表情をしていたんだ。

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