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椛「あぁ、それなら千晴よ。あたしが横で見てたから」
そんな時に、椛が何の躊躇もなく言ってくれた。
樹「あ、そうなの？」
千晴「え…う、うん。風邪ひいちゃいけないしと思って…」
樹「そっか…ううん。ありがと」
ふわりと、藤原くんは笑って言ってくれた。
何か…たったそれだけのことなのに、嬉しく感じてる自分がいた。
壱馬「そっかそっか…俺の方も、ありがとな」
川村くんはまだ少し眠そうだったけど、ちゃんと私を見て言ってくれた。
千晴「う、ううん…大したことじゃないよ」
樹「んなことないって。お、今日もまた美味しそう」
私と椛が作って置いておいたオムライスを見て、藤原くんが言ってくれた。
…でも、私の作ったのは汚いんだよね…。
樹「…西野さんが作ったの、どれ？」
千晴「え？」
私が横で様子を見ていると、不意に藤原くんに聞かれた。
ちょっとびっくりして、藤原くんの顔…見れなかった。
千晴「えっと…椛が作ったのが綺麗な方で、私のは…これとか、全然下手で…」
樹「これ？」
私が自分で言ったのは、本当にあんまりきれいじゃないものだった。
な、何か恥ずかしい…。
樹「じゃ俺これにしよ」
千晴「…え？」
壱馬「俺はこれでええかな…」
北人「じゃ僕これで」
慎「残り3つ…これでいい」
椛「あたしと千晴の分ね。じゃああたしこれで。はい千晴」
椛が、最後に残ったオムライスを私に渡してくれた。
椛が持ってるのは…私の作った分。
私が持っているのは、椛が作った分だった。
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作者名：桜花 | 作成日時：2021年5月31日 0時
