�� ページ10
.
だけどまた。
今度は教室に、別の人物が見えた。
夏輝「あ、よかった…まだいたんですね」
それは、眼鏡をかけている澤本先輩だった。
少し急いでいるのか、いつもよりももっと真面目な表情をしていた。
そういえば…学校内で先輩を見るの、初めてかも。
陽向「あれ、先輩！」
椛「今から、帰るところだったんですけど…」
千晴「どうかしたんですか？」
3人で、1人1人がそう声をかける。
先輩は少しの間、何かを言うのをためらっているかのように、黙っていた。
だけど、すぐに私達を見た。
夏輝「すみません…君達にとっては少し、嫌な知らせかもしれません」
千晴「え…」
陽向「嫌な…って、何ですか？」
椛「…」
私達は先輩の言葉の意味が分からないで、ポカーンとしている。
先輩はまた少し躊躇い、再度口を開く。
夏輝「本日の夜から、梅寮に一人の生徒が来ることになりました。祖父…校長の判断です。そして梅寮に来るということは、相当の問題児…」
椛「…問題児って、」
夏輝「…今、君達と同じクラスの留年生…瀬口黎弥、彼です。さっき廊下をすれ違った藤原くんにも、そのことは伝えてあります」
陽向「……ほ？」
千晴「え…う、嘘…」
椛「…最悪。それでさっき…最悪って言ってたのね」
私達3人が、同時にショックを受けた瞬間だった。
重い鉛が、頭にのっかかった気分になる。
椛が言ってるの…多分、さっき。
私達が自分で買いだしをすると、瀬口くんに言った時の、あの人の反応だ。
でも…何で。
なんで…私達に、平穏は訪れてくれないの？
.
ep.17 買い出しでも嫌な思いをして、寮に帰ってからは嫌な知らせが待っている→←��
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 7人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：桜花 | 作成日時：2021年5月23日 13時
