ブルースター３ (ページ9)

今日:1 hit、昨日:17 hit、合計:9,399 hit

⑧ ページ9

.

黎弥「んー…じゃあ俺佐藤さんに付いて行こっかな」

葵唯「は？」

北人「え…」

黎弥「俺今暇でさ…だからいいじゃん？」

葵唯「…」

慎「…」

誰も、何も答えようとはしていなかった。
ここであからさまに嫌な顔するわけにもいかないし…って言っても、葵唯はしてるけど。
あんまり…瀬口くんを刺激させないように、皆して気を使ってる。

葵唯「…好きにすれば」

疲れたように、葵唯がそう言った。
そんな葵唯を見て、長谷川くんも吉野くんも驚いたような表情を、一瞬だけ見せた。
でも、すぐにその表情を隠していた。

黎弥「お、ラッキー。本人に許可もらっちゃった。俺ね、気が強い子の方が落とすの楽しいんだよね」

葵唯「馬鹿みたい。行こ、吉野くんも長谷川くんも」

葵唯…さっきまでの態度と全然違う。
瀬口くんに、普通に毒舌だった…。
さっきの、”落とすの”って言うのが…そんなに不満だったんだ。

黎弥「わ、毒舌…」

瀬口くんはそう言いながらも、笑っていた。
そしてそのまま教室を出て行く吉野くん達の後を、着いて行った。

椛「…嵐ね」

千晴「葵唯…大丈夫かな？」

陽向「…吉野くんが、なんとか止めてくれるんじゃない？」

千晴「…そう、かな？」

椛「あたしも、そう思うけど…とにかく、あたし達は寮に戻りましょう」

椛が一番最初に、鞄を持って教室を出ようと歩き始めた。
続いて、陽向も。私も、その後から歩き始めた。

.