ep.21 梅寮生9人が纏まった日 ページ43
* 椛 side
あたしと藤原くんがめんどくさい委員会の集会を終えて教室に帰ってきた時には、なぜか他のメンバーはまとまりもなく寝たり騒いだりお茶を飲んでたりと、様々だった。
さらにそのまま、午後の授業が終わった。
陽向「モウ駄目デス。私死ヌ」
壱馬「あぁ、あの世に行って来きぃや。俺は引きとめるなんて真似はせーへんから安心せぇ」
自分の席に突っ伏して死にかけている陽向に、その近くの席で足を組みながらも本を読んでいる川村くんが言った。
…意外だったわ。あの人でも、本は読むのね。
ていうか、何で陽向の言葉は片言だったわけ？…意味深よね。
北人「そこの2人ー。今日も掃除だよー」
慎「かったる…」
樹「なぜか肩凝るんだよなこれ…」
千晴「が、頑張ろ」
葵唯「今日の分担はどうしよっか…誰が廊下行く？」
椛「あ、そっか。そんな場所もあったわね」
皆、何かダルそうね。
珍しく、藤原くんもしんどそうだし。…ま、誰だってそういう時もあるわよね。
今まで動こうとしていなかった川村くんと陽向も、ゆっくりと動き始めた。
…少しは、まとまって来た証拠かもね。
「お、全員揃ってるな…」
あたし等が全員箒をもって掃除を始めようとしたとき、入口から声が聞こえた。
いつもウザいけど、ここ一週間聞いてなかった…あの声だ。
壱馬「げ…」
葵唯「あ…」
陽向「…瀬口…くんだ」
今の陽向…絶対後から"くん"つけ足したわね。
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作者名：桜花 | 作成日時：2021年5月23日 13時
