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夏輝「言っておきますが、この子達には通用しませんよ。彼等は皆…強い自分の意思を持ってますから」
その瞬間、皆が顔を上げた。
川村くんも吉野くんも、長谷川くんも。
夏輝「…長くなりましたが、これで終わります。けれど…黎弥。今回の問題は、校長の方に報告しておきます。学校から見捨てられたくなければ、少しは大人しくしていてください」
先輩は、それだけ言った。
その後、私達の方を見向きもせずに管理人室の方へと向かって行った。
同時に、瀬口くんが乱暴に立ち上がって寮を出て行ったのが見えた。
壱馬「……やっぱ、俺たちよりも年上やな。考えも、何もかもが」
フッと、川村くんは笑顔を漏らした。
他の皆も、次第に笑顔を取り戻している。
椛「…尊敬するかもね」
陽向「うんうん…私、先輩がいるならこの寮でもいい！」
笑顔の訳はきっと、先輩の凄さ。
少しでも後ろめたいことをしてしまった私達に対しても、真正面から謝った。
瀬口くんに対して、ずっと勢いを失わなかった。
それどころか、瀬口くんが黙っちゃったし！
北人「同感、かな」
慎「…そう、だな」
壱馬「…樹も、そうなんやろ？」
川村くんは宙に向かってそう言った。
…今、藤原くんいないけど…？
だけど、ふと私たちの前に誰かが出てきた。
廊下の陰に、隠れていた人。
樹「ばれてたか…ま、さすがにあの雰囲気の中は出れないし」
正真正銘、藤原くんだ。
苦笑いをして、そこに立っていた。
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作者名：桜花 | 作成日時：2021年5月23日 13時
