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そんな時だった。
ロビーの方から、声が聞こえてきた。
葵唯「この声…」
千晴「帰ってきちゃったんだ…」
北人「…壱馬と、樹だ」
確かに、今あたしの耳にも届いている声。
それは、確実にあの2人の声だった。
壱馬「何なんやこの惨状は」
樹「…」
キッチンに来るなり、川村くんは露骨に顔を歪め、藤原くんは軽く苦笑いをしていた。
2人とも、荷物もまだ部屋に置いていない。
制服を着て、鞄も持ったままだった。
…でも、葵唯も吉野くんも長谷川くんも、今思えば制服なのよね。
私服を着ているのは、あたしと陽向と千晴だった。
川村くんは未だに、あちこちを見渡していた。
壱馬「どうやったらこんな…」
樹「…さすがに、すごいな」
…初めてなんだから仕方ないでしょ。
北人「けど、みんな頑張った方だよ。何せ、料理出来ない人達が集まってたんだから」
あたし達の肩を持つようにか、吉野くんが疲れた顔をしながら発言する。
…別に、あの2人が悪いって言ってるわけじゃないんだけど…何かね。
樹「わかってるよそれは…まぁ、片付けは後ででもなんとかなる。今は…」
葵唯「あ、そっか…お米だね」
樹「だよね。じゃあそれは俺の方でやっとくから、他の皆は…」
慎「片付け、か」
樹「そうなる。まぁ、洗い物は後でいいから…とりあえず机の上？」
長谷川くんの発言に、苦笑して同意した。
藤原くんが言った机の上には、切ったままの野菜や切り終えた皮などが無残にもおかれている。
本当に思うけど…どこまでしっかり者なの、あの人。
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��→←ep.18 初カレー作りに苦戦しつつ皆と協力して作った夕食の最中に1番の問題児が梅寮に仲間入り
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作者名：桜花 | 作成日時：2021年5月23日 13時
