ブルースター３ (ページ16)

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陽向「でもさ…一番心配なのは川村くんなんだよねー」

椛「あ、そうそう…あとは川村くんだけよ。この寮に瀬口が来ることを知らないのは」

北人「え…樹は？」

椛「あたし達に伝えに来る前に廊下で偶然会ったみたいよ。その時に言ったって」

慎「…なるほど、ね…」

椛「…心配だけど、いざとなったら体張って止めるしかないかもね」

そこまで、いくのかな。…とは思う。
だけどきっと、椛の言ってることは現実に起こりかねないことだ。
皆、また暗い雰囲気に戻ってしまう。

慎「…随分、適当なんだね」

椛「そういう性格だから、仕方ないのよ…長谷川くんも、実際はそんなに気にしてないんじゃないの？」

顔をあげて、椛は長谷川くんに言った。

慎「…」

その無言が、肯定という意味だったみたい。
驚いて、長谷川くんは椛を見ていた。

椛「前までの発言を聞いてればね…まぁ、適当に構えとけば何とかなるものよ。ね？」

慎「…それしか、ないよな」

長谷川くんはそう言うと、まだ空いている椅子に腰掛けた。
…今微かだけど、長谷川くん…笑った？口端が一瞬上がったような…。

北人「…じゃあ、西野さんと上杉さん。後は、よろしくね」

椛「ま、やってみるわ」

千晴「で、でも失敗とかしたら…」

葵唯「こーら千晴。そういうことは考えない」

千晴「…う、うん…」

何だか千晴は、やる前から心配。
マイナスなことばっかり、考えちゃってるもん。

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