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椛「そのまんま…うちのクラスの瀬口よ。校長の判断でこっちに来させるって…全く、いい迷惑よね」
本当に迷惑そうな顔をして、椛は吐き捨てた。
…カレーの作り方が載ってる、ルーの箱を見ながら。
千晴も同じことしてるよ…。
慎「…黙って、受け入れるの？」
腕を組んだまま、長谷川くんが椛にだけじゃなく、千晴と陽向にも言った。
彼って、いつも適当な感じで終わらせてるイメージがあったけど…今回だけは、違うのかな。
陽向「…私達も先輩に反対意見出したんだけど…」
千晴「もう無理なんだって…校長に逆らうことは、出来ないって言ってたよ」
ずっと下むいて箱を見ていたけど、千晴は顔をあげて言った。
平気なフリしてるけど…駄目。千晴は、顔に出ちゃうタイプだから…何か凄く、不安なんだと思う。
守ってあげたくなっちゃうような女の子ってよく言うけど…千晴みたいな子なのかな。
椛「けど、澤本先輩と瀬口って…去年クラス一緒だったらしいわよ。クラスだけじゃなく、部屋も一緒だったみたい」
北人「…え？」
慎「…ってことは」
椛「そう…先輩は、ああいう性格の瀬口が嫌いみたい。で、それを避けるためにこっちの寮の管理人を引き受けたんだけど…見事に、誤算だったらしいわ」
葵唯「…やっぱり、先輩も苦手なんだね」
当り前か…。
でも、嫌いでこっちの寮まで来たって言うのに…いい迷惑だよね。
こっちで、平和に過ごせたのならよかったのに、っていう…感じかな。
こればっかりは…先輩が可哀想でならないかも。
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作者名：桜花 | 作成日時：2021年5月23日 13時
