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寮に戻ると、陽向と椛と千晴が、ロビーにある椅子に座っていた。
北人「ただ今戻りましたー」
葵唯「ありがとね、長谷川くん」
慎「別にいいけど…一つくらい持てよ」
葵唯「だって袋が2つしかないもん。一個は吉野くんが持つって言ってくれてるし、仕方ないじゃん？」
慎「…上手いこと言って逃げたな」
葵唯「ふふーん。これも作戦のうち」
今まで、長谷川くんって話しにくいかな…なんて思ってたけど、全然そんなことないね。
普通に、面白い人じゃん。
ゴトッという音を立てて、ロビーの机の上に買ってきたものを置いた。
北人「さてと…後は、お願いね」
千晴「うん、わかった」
椛「いいけど…何人分だっけ？」
千晴「えっと…9人分、かな？」
葵唯「……え、ちょっと待って。澤本先輩の分も作るの？」
料理組の2人で話を進めてるみたいだけど、よく分からないところがあって聞いてみた。
…勉強じゃないけど、分からないんだもん…仕方ないじゃん。
北人「確か先輩は、いつも別で済ませるっていう話じゃ…」
吉野くんも、同じ意見だったみたい。
不思議そうな表情をして、千晴と椛に聞いた。
椛「あぁ…何か、瀬口黎弥が梅寮に来るんだって。今日先輩から報告受けたのよ。けど、あんな奴に食べさせる米はない。8人分でいいわ」
慎「…え、ちょっと待て。瀬口って…」
荷物を置いた後、ずっと立ったままだった長谷川くんが口を開く。
…長谷川くんだけじゃない。私…そんなこと、聞いてないんだけど…。
吉野くんも、呆然として椛を見ていた。
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作者名：桜花 | 作成日時：2021年5月23日 13時
