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暗い倉庫内、何処かの下水管から滴り落ちる水音が響く。彼女はローファーの底をコンクリートに擦りつけ、目の前の男に近付いた。
そうしてひとつ深呼吸をし、拳をキツく握りしめる。
『……もう、総悟と関わらないで』
彼女、Aは男、神威をキッと睨んだ。本当は怖いはずなのに声には力がこもっていて、唇も拳と同じくらい硬く結ぶ。
そんな彼女に神威はニタリと口角を上げて座っていたドラム缶から飛び降りた。そうしてスキップ気味にAの元へ近付き、たちまち目を鋭くさせては彼女を見下ろす。
『どうして?』
『声をかけてきたのは向こうからだよ?』
「それにあんな面白い奴手放すわけないだろ」……そうクスクスと笑いを零し、余計にAの神経を逆撫でる。神威の質問に答えなければと唾を飲み込んで、彼女は絞るような声を出した。
『私に、必要だから』
『……ソウゴが?』
『そう。貴方よりも、私は総悟が必要なの』
神威は一瞬だけ目を丸くしたかと思えば、彼女に負けないくらいのガンを飛ばす。その群青の泉のような瞳に映っているAはユラユラ揺れておらず、一生懸命に真っ直ぐだった。
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ハル(プロフ) - ゆうかさん» 過去作も読んでくださったんですか!! うわあ、とっても嬉しいです^^ これからもバンバン作品を作っていきたいと思っておりますので、また新作が出ましたらたくさん読んでいただけるととってもありがたいです! コメントと応援、どうもありがとうございました!! (2017年10月7日 13時) (レス) id: d8241361cf (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか(プロフ) - すっごく素敵なお話ばかりで1日で昔のものもほとんど読んでしまいました(;^ω^)これからも頑張ってください!応援してます! (2017年10月7日 11時) (レス) id: da24fb15e8 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 紫蘭さん» ありがとうございます! 最後は無事にハッピーエンドです!! ちょっと拗れた青春でしたが、紫蘭さんが楽しんでいただけたのなら良かったです。新作、完成させてからの投稿となっておりますので、お時間空いたときにでも読んでくださいませ! いつも閲覧どうもです!! (2017年10月6日 18時) (レス) id: 637325fbc5 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 銀皐月さん» ありがとうございます! 個人的にエロスが書きたいわけではないのですが、作品にそれっぽい表現が登場人物を表すために必要な時は薄っすら入れるようにしてます笑 高杉パパってわけじゃないけど、みてくださいな^^ コメントどうもありがとう。 (2017年10月6日 18時) (レス) id: 637325fbc5 (このIDを非表示/違反報告)
紫蘭(プロフ) - 完結おめでとうございます!皆幸せになる青春を謳歌しているなんて羨ましいです…笑 二人の思いが通じて良かったです! 新作頑張って下さい! (2017年9月30日 10時) (レス) id: 684ce788b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時:2017年9月11日 18時