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『偏見かもしれねェけどよォ……世間一般で言う不良ってさ、平気で学校サボるだろ?』
『お前遅刻はたまにするけど基本無欠席だし、テストもまあまあちゃんと受けてるし?』
「フツーの男子高校生だな」とここに来て初めて坂田は笑った。手付かずの俺のコップを見ては目配せをし、「飲まないと冷めちまうぞ」とスティックシュガーを五本渡してくる。
『こんなにいりやせん』
一本だけもらい、残りの四本を返せば、坂田はそれをイチゴミルクに入れてしまう。糖尿病真っしぐらの道のりを辿るこいつは、美味そうに飲み干した。
砂糖は瞬く間に苦い焦げ茶色のコーヒーの泉の中に溶けていき、少々温くなったそれを半分ほど飲む。
『お前は校外の素行がなー、残念』
『勿体ねェよ』
『高校生って、青春の真っ只中だから』
「知ってるか? 青春」「言っとくが売 春じゃねェぞ」と冷やかしてくる坂田に呆れを混ぜた息が自然と漏れた。
近くにあった紙を裏返して白紙にし、胸元からペンを取り出す。そうしてサラサラと何かを書き始める。
「ほら」と見せられたのはたったのニ文字。紙いっぱいに「青春」と書かれており、バカにしてるのかと俺はこいつを睨んだ。
『青い春って書いて青春』
『よく言うだろ? 青二才だとかケツの青いガキとかさ……』
『要するに、子供はまだ青いってこと』
『意味が分かりやせん』
キッパリと言い切る俺に苦笑いを見せ、指を組む。ひとつ呼吸をした坂田は、膝の上に頬杖を付いて俺を真っ直ぐに見据えた。
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ハル(プロフ) - ゆうかさん» 過去作も読んでくださったんですか!! うわあ、とっても嬉しいです^^ これからもバンバン作品を作っていきたいと思っておりますので、また新作が出ましたらたくさん読んでいただけるととってもありがたいです! コメントと応援、どうもありがとうございました!! (2017年10月7日 13時) (レス) id: d8241361cf (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか(プロフ) - すっごく素敵なお話ばかりで1日で昔のものもほとんど読んでしまいました(;^ω^)これからも頑張ってください!応援してます! (2017年10月7日 11時) (レス) id: da24fb15e8 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 紫蘭さん» ありがとうございます! 最後は無事にハッピーエンドです!! ちょっと拗れた青春でしたが、紫蘭さんが楽しんでいただけたのなら良かったです。新作、完成させてからの投稿となっておりますので、お時間空いたときにでも読んでくださいませ! いつも閲覧どうもです!! (2017年10月6日 18時) (レス) id: 637325fbc5 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 銀皐月さん» ありがとうございます! 個人的にエロスが書きたいわけではないのですが、作品にそれっぽい表現が登場人物を表すために必要な時は薄っすら入れるようにしてます笑 高杉パパってわけじゃないけど、みてくださいな^^ コメントどうもありがとう。 (2017年10月6日 18時) (レス) id: 637325fbc5 (このIDを非表示/違反報告)
紫蘭(プロフ) - 完結おめでとうございます!皆幸せになる青春を謳歌しているなんて羨ましいです…笑 二人の思いが通じて良かったです! 新作頑張って下さい! (2017年9月30日 10時) (レス) id: 684ce788b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時:2017年9月11日 18時