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izw side
会計を済ませて次の店へ向かう。
「ふふ、川上即決だったね。俺のチョイス最適だったか」
「いや、伊沢さんのお勧めなら買わない選択肢はないです」
「,,,好きじゃん」
「さっさと次行きましょ」
そのあとも幾つか店を周り、最後に川上行きつけのアクセサリー屋さんに入った。
「あ、こんにちは」
「こんにちは」
顔見知りらしい店員が挨拶したあとはひたすら無言。ピアスを見る目が真剣過ぎて、声をかけられない。
俺は俺で、店員にお勧めの指輪やネックレスを聞いて店を回った。
「,,,で、これはペアのネックレスになってます。銀と黒2本の棒が下がってるんですけど、この棒の長さが違うんですね。で、各々合わせると銀と黒の棒の長さが同じになるんです」
へぇ、と聞いていたが、ふとこれは川上を驚かすチャンスじゃねーかと思い立った。
ちらっと持っている可能性が頭をよぎるが、多分ペアネックレスなら大丈夫だろう。
他にも指輪等幾つか購入して店を出ると、川上は既に店を出てソファに座っていた。
「川上ー、めっちゃ真剣だったな」
「,,,あーすみません、ほったらかしでした」
「いーの、へへ、良いもん買ったし」
「じゃ、そろそろ帰りますか」
最初の本屋に寄って、本を回収してから電車に乗り、最寄り駅に着いた。
「やっぱ雨止まなかったか,,,」
どしゃ降りとはいわないが、結構雨が降っている。両手は本や服etc.で満杯。
1人逡巡していると、上に影が被さった。
「荷物多いから、今日だけですよ」
,,,たまには雨も悪くない。
一旦俺の家に帰宅して、収穫物を広げる。
ここぞとばかりに、俺はネックレスを差し出した。
「,,,ペアネックレス?」
「そ、これなら服の中でも外でも使えるし、パッと見判りづらいし、いいだろ」
「嘘やん」
そう呟くと、川上は自身の荷物を漁り、俺と同じ包装の包みを取り出した。
「え、俺に?」
「開けてください」
中には銀色のシンプルな片耳ピアス。でもよく見ると、中に星マークの片割れが彫ってある。
「これ、もしかして」
「同じこと考えとるやなんて思わんやないですか,,,」
ペアのピアス。必死になって見ていたのって、もしかしてこれだったのか?
ふと目をやると、恋人は既に装着済み。俺も早速装着。
「似合ってますよ」
恋人がストレートに告げる。
「ずっと着けていて下さい。,,,俺のモノなんで」
「ふは、仰せのままに。俺のも着けてよ」
耳と首で、互いの愛がキラリと光った。
fin
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颯楓(プロフ) - すみれさん» ありがとうございます!!!良かったです♪いやぁqkの尊みは深さを知りませんね() (2020年6月4日 18時) (レス) id: 0a39adce2c (このIDを非表示/違反報告)
すみれ(プロフ) - んんんんんなぁぁあ!!!尊いが溢れております、、うわぁぁ、、尊み謙信です、、 (2020年6月4日 17時) (レス) id: 9585eb17bb (このIDを非表示/違反報告)
颯楓(プロフ) - すみれさん» ありがとうますっっっ!!!お待たせしてしまって申し訳ないです,,,続き執筆中ですので今しばらくお待ちをΣb( `・ω・´) (2020年6月2日 16時) (レス) id: 0a39adce2c (このIDを非表示/違反報告)
すみれ(プロフ) - ぬうううぁぁあ!!好きです!!すごく!!続き楽しみにしてます…! (2020年6月2日 5時) (レス) id: 9585eb17bb (このIDを非表示/違反報告)
颯楓(プロフ) - まままさん» おおあ良かった!とんでもないです、喜んで頂けて何よりですっ!!!いいですよね,,,重い話,,, (2020年5月29日 20時) (レス) id: 0a39adce2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:颯楓 | 作成日時:2020年5月18日 20時