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ymmt side

そのあと幾つかアトラクションに乗ってから、今度はミュージアムへ移動。

地球を上から眺められるシアターは超綺麗だった。

「こんな広い世界で会えたなんて、幸運だなぁ」
「ふは、ロマンチックだなぁ山本」
「ちょ、そんなこといわないで下さいよっ」

展示場も見て回ったのだが、2人とも専攻は物理だからついつい専門的な話で盛り上がってしまった。

周りのお客さんに引かれてたのはきっと気のせい。うん。

なにより僕は、ジェットコースターに乗ってから繋がれている手に意識が集中してしまう。

僕の大好きな須貝さん。東大で博士課程に進むほど頭が良くて、幾つもの場所で表彰されて、一方で人付き合いも上手くて、周りの人のムードメーカー。

そんな人を一人占めできるなんて、すっごい贅沢じゃない?

「な、山本。次はどこ行こっか」
「そうですね、一旦外にでて,,,」

「わ、山本さんと須貝さんだ!」

知らない女の子の声がした。
とたん、須貝さんが俺の手をぱっと離す。

「あはは、バレちゃった?どうも、ナイスガイの須貝です!」
「わー生ナイスガイだっ」
「,,,山本?」
「あ、山本ですっ」
「はじめまして!」

繋いだ手が離されたことが純粋にショックだった。ファンの子に会えるのは悪い気しないけど、今は嬉しくない。

女の子と須貝さんは親しげに話している。
その姿がまるでカップルのようで、僕のイライラはだんだん募っていく。

「へぇ、じゃあ今日は彼氏と来てるんだ」
「はい!今はドリンク買ってきてくれてて」
「ふふ、デート中にナイスガイに浮気たぁいけませんな」
「やめて下さいよ〜」

ぷちっ。

「そうですよ、デート中に浮気はいけません」
「,,,山本?」
「僕らもこれから予定あるので、もう行きますね。またどこかでお会いできたら嬉しいです」
「あ、はい!お邪魔してすみませんでした」
「いえ、これからもよろしくお願いします」

無理矢理口角をあげて笑顔をつくる。女の子が彼氏の元へ帰るのを見届けてから、須貝さんの方へ向き直った。

須貝さんは怯えたような、不思議がっているような表情をしている。

「山本,,,どうした?」
「須貝さん、クイズの答え合わせをしましょう」

それだけいうと、僕は須貝さんの腕をひいてあのアトラクションへ走った。

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颯楓(プロフ) - すみれさん» ありがとうございます!!!良かったです♪いやぁqkの尊みは深さを知りませんね() (2020年6月4日 18時) (レス) id: 0a39adce2c (このIDを非表示/違反報告)
すみれ(プロフ) - んんんんんなぁぁあ!!!尊いが溢れております、、うわぁぁ、、尊み謙信です、、 (2020年6月4日 17時) (レス) id: 9585eb17bb (このIDを非表示/違反報告)
颯楓(プロフ) - すみれさん» ありがとうますっっっ!!!お待たせしてしまって申し訳ないです,,,続き執筆中ですので今しばらくお待ちをΣb( `・ω・´) (2020年6月2日 16時) (レス) id: 0a39adce2c (このIDを非表示/違反報告)
すみれ(プロフ) - ぬうううぁぁあ!!好きです!!すごく!!続き楽しみにしてます…! (2020年6月2日 5時) (レス) id: 9585eb17bb (このIDを非表示/違反報告)
颯楓(プロフ) - まままさん» おおあ良かった!とんでもないです、喜んで頂けて何よりですっ!!!いいですよね,,,重い話,,, (2020年5月29日 20時) (レス) id: 0a39adce2c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:颯楓 | 作成日時:2020年5月18日 20時

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