・ ページ13
izw side
色んな映画を見た。
最初はホラー、そして冒険、スパイ、今見ているのは純愛もの。
山本はかなりのめり込んで見ていて、時々「ひゃうっ」「ふぇぇ,,,」と声を漏らしていた。
一方俺は集中できるはずもなく、時々小刻みに震えたり動いたりしている恋人を抱いて、ひたすら観察していた。
そうしているうちに最後の映画感動はクライマックスを迎える。
駆け落ちの主人公とヒロインはついに引き裂かれてしまい、涙と共に再会を誓う。
ふと息を詰まらせる音がする。山本が静かに涙を流していた。
そして俺の腕をぎゅっと握り直す。俺も無意識に山本を抱きしめた。
エンドロールが流れ、映画は終幕。
「すっごく、いい映画でしたね」
若干鼻声のまま、ぽつりと山本が呟く。
映画の途中で酒を呑んだからか、その頬はほんのりと赤く染まっていた。
「,,,そうだな」
結局主人公とヒロインが再会を果たせたのかは分からなかった。どちらかといえばバッドエンドだろう。
「あ、もうこんなじかん,,,どうしよう」
時計は午後11時を指している。この時間では帰るのも危険だ。
それに、あんな映画を見ちゃったからにはもう俺のヒロインを放したくない。
「泊まっていけよ」
ベッドをぽふぽふと叩く。
「,,,一緒に寝よ」
山本の頬の赤みが増したように感じるのは気のせいだろうか。そのまま勢いよく首を上下に振った。
2人で布団に潜る。そういえばさっきの映画も2人で野宿するシーンがあったな、と思い返す。
「,,,伊沢さんは、ずっと一緒にいてくれますよね」
山本が丸くなり、ぽそりと呟いた。
「もちろん」
「僕から、離れていかないですよね」
「もちろん」
突然山本がすり寄ってくる。猫のようで可愛らしい。
「,,,だいすきです」
「俺も」
きっと世間はそうそう認めてくれない。
だけど、俺達は確かに愛を育んでいる。
「地球の裏側にいたって、見つけ出すから安心しな」
ぎゅっと抱きしめると、山本は小さく笑って寝息をたて始めた。
俺の可愛いヒロインは、絶対に守り抜く。
fin
解説もとい雑談+お知らせ→←夜半過ぎ、家―ymmt×izw―
150人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
颯楓(プロフ) - すみれさん» ありがとうございます!!!良かったです♪いやぁqkの尊みは深さを知りませんね() (2020年6月4日 18時) (レス) id: 0a39adce2c (このIDを非表示/違反報告)
すみれ(プロフ) - んんんんんなぁぁあ!!!尊いが溢れております、、うわぁぁ、、尊み謙信です、、 (2020年6月4日 17時) (レス) id: 9585eb17bb (このIDを非表示/違反報告)
颯楓(プロフ) - すみれさん» ありがとうますっっっ!!!お待たせしてしまって申し訳ないです,,,続き執筆中ですので今しばらくお待ちをΣb( `・ω・´) (2020年6月2日 16時) (レス) id: 0a39adce2c (このIDを非表示/違反報告)
すみれ(プロフ) - ぬうううぁぁあ!!好きです!!すごく!!続き楽しみにしてます…! (2020年6月2日 5時) (レス) id: 9585eb17bb (このIDを非表示/違反報告)
颯楓(プロフ) - まままさん» おおあ良かった!とんでもないです、喜んで頂けて何よりですっ!!!いいですよね,,,重い話,,, (2020年5月29日 20時) (レス) id: 0a39adce2c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:颯楓 | 作成日時:2020年5月18日 20時