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一雨04 ページ27

side 圭人



ごめんなさいを何度繰り返したのだろう。
もうずっとずっと前のことなのに、今でも鮮明に覚えている。


俺は小学生の頃、誰にも言えない衝撃的な事件に遭遇している。
だけどそれを誰かに話すことはあの日から一切していない。
どれほど親しい人であっても、この口から語ることは無かった。
もちろん家族にも話していない。


たった一人の幼馴染を除いては。




『あれは海の底に沈んだ。いいね?』



あれからもう14年という長い月日が経っているのに、どうして鮮明に覚えているのだろう。
いや、覚えているんじゃない。
忘れられないだけなんだ。



ねぇ裕翔。
俺は今も、忘れられないでいるよ。





























14年前。
俺たちが小学生だった時の事。


千代岬では小学校の地域の取り組み事業と称しての宿泊合宿がある。
宿泊合宿とはその名の通り、町の宿泊施設で宿泊しながら集団生活について学ぶというものだった。


だからもちろんタイムスケジュールは決められているし、自炊なのは言うまでもないけれど実際はキャンプみたいなもので誰もがワクワクしていた。


それなのに『それ』は起こってしまった。




山奥のロッジ、とでも言えばいいのだろうか。
宿泊学習に用いられるそこは田舎の山奥に存在するとだけあって自然も豊かだ。
ただし、夜はやっぱり暗い。


そして千代岬の小学生なら誰もが知っているであろう『灯台伝説』の石碑も、目の前にある。
当時は先生も学習の一環として紹介していたのを今でも覚えている。





楽しい時間が過ぎ、小学生の体力では限界だったのであろう夜。
皆が寝静まった中、急にトイレに行きたくなって目を覚ました。
夜の山奥、消灯時間はとっくに過ぎているとだけあってか真っ暗な廊下。
不気味な空間に怖気づいたのは言うまでもない。


そっと扉を開けると同室の一人である裕翔が目を覚ました。



「圭人……?」



一番扉に近いというのもあってか、起こしてしまったらしい。
ごめんね、と小さな声で謝って外に出ようとするところを裕翔が止めた。



「俺も一緒に行く。」

「え、でも…。」

「一人だと不安でしょ?」





ほら、と俺の前を歩く裕翔。
薄暗い廊下を二人で歩いていた時、窓の外に石碑が見えた。




「……えっ?」



そしてその石碑の周りを不自然な動きで舞う、小さな明かり。




「火の玉……!?」

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天凪(プロフ) - NMダイキング担さん» お返事が遅れてしまい、申し訳ないです...!更新が遅れていますが、もう少しして夏休みに入り次第、更新ペースを上げる予定ですので、それまでよろしくお願いします! (2018年7月26日 23時) (レス) id: 73cf59f499 (このIDを非表示/違反報告)
NMダイキング担 - 更新ありがとうございます!続きが気になります!!! (2018年7月3日 0時) (レス) id: 238f9174c4 (このIDを非表示/違反報告)
天凪(プロフ) - NMダイキング担さん» コメントいつもありがとうございます!更新と返信が遅れてすみません。これから少しずつ更新していきますので、最後まで応援よろしくお願いします! (2018年7月1日 21時) (レス) id: 73cf59f499 (このIDを非表示/違反報告)
NMダイキング担 - 遅れましたが、新作ありがとうございます!天凪さんの作品とても大好きです。これからも無理せずに更新頑張ってください!! (2018年6月7日 0時) (レス) id: 238f9174c4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:天凪 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2018年1月14日 23時

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