改札02 ページ3
電車が発車して間もなく。
冷房の効いた車内は昼間ということもあってか人は少なかった。
「本当にありがとうございました。」
「いえ、大丈夫ですか？」
「はい。多分夏バテだと思うんで。家に帰ったらちゃんと休みますね。」
「それが良いと思います。ちなみになんですけど、千代岬の方ですか？」
「……え？」
キョトン、と首を傾げる彼の肌は日焼けとは縁遠い白さ。
普段はあまり外に出ないのだろうか。
それにしても年齢はまだ若そうだし、もしかしたら学生ということもあり得る。
「いや、その…俺も千代岬なんです。」
「あー、なるほどね。」
しばらく考えた後、彼は鞄の中を探って小さな紙を差しだした。
それが名刺だと気付くまでに時間はそうそうかからなくて。
紙に書かれた文字は見慣れないものだった。
「改めまして、建築デザイナーの伊野尾慧です。よろしくね。」
「建築デザイナー？……じゃなくて！日波大学の経済学部2年の山田涼介です。よろしくお願いします。」
「学生さんなんだ！日波っていうと、すぐそこだよね？昨日こっちに来たばっかだから土地勘なくて。」
「昨日ですか？えっと、お仕事…？」
「うーん、仕事……じゃないけど趣味？幼馴染の家に居候しててね。ちょっと調べたいことがあって。」
「幼馴染が千代岬に住んでるんですか？」
「そうそう。駅前の『sand』って喫茶店を経営してる人なんだけど。」
ガタンゴトン。
車窓を流れ行く景色がとてつもなく、ゆっくりに思えた。
それでいて時間はピタリと止まってしまったかのように感じた。
「あの……その『sand』って喫茶店なんですけど、」
「……うん？」
「俺が、バイトしてる店なんです。」
・
・
「マジか、そんな偶然ってあるんだな！」
ははは、と明るく笑い飛ばすのは千代岬駅の前の『sand』という喫茶店を経営している光くん。
店舗併用住宅で、このカフェの2階は住宅になっているらしい。
「まさか夏バテで倒れるなんてな、伊野尾ちゃんもうちょっと外に出た方がいいんじゃない？」
「うわ、窓から海見えんじゃん。景色最高！」
「またそうやって話を聞かない…。」
昼を少し回った時間帯。
店内には俺達3人だけで、冷房が緩く聞いた室内には穏やかな時間が流れる。
ここから見える海はとても綺麗で、この海こそが千代岬の誇りだ。
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天凪(プロフ) - NMダイキング担さん» お返事が遅れてしまい、申し訳ないです...！更新が遅れていますが、もう少しして夏休みに入り次第、更新ペースを上げる予定ですので、それまでよろしくお願いします！ (2018年7月26日 23時) (
レス) id: 73cf59f499 (このIDを非表示/違反報告)
NMダイキング担 - 更新ありがとうございます！続きが気になります！！！ (2018年7月3日 0時) (レス) id: 238f9174c4 (このIDを非表示/違反報告)
天凪(プロフ) - NMダイキング担さん» コメントいつもありがとうございます！更新と返信が遅れてすみません。これから少しずつ更新していきますので、最後まで応援よろしくお願いします！ (2018年7月1日 21時) (レス) id: 73cf59f499 (このIDを非表示/違反報告)
NMダイキング担 - 遅れましたが、新作ありがとうございます！天凪さんの作品とても大好きです。これからも無理せずに更新頑張ってください！！ (2018年6月7日 0時) (レス) id: 238f9174c4 (このIDを非表示/違反報告)
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