「好奇心」は自分の首を絞める〜Part12〜

理樹の正体4 ページ42

伊達を置いた所でナタリーが帰ってくる。


ナ「ただいま！」


そう言ってナタリーは早々に寝室へと入っていった。
少ししてナタリーが部屋から出てくる。


ナ「……あ！航さん！！」


そこでナタリーは自分の恋人をぶん殴った事を思い出し、真っ青な顔でやって来た。


萩「大丈夫、呑気に寝てるよ。」

ナ「…良かった…」

松「こいつになんかシーツか持ってきてくれるか？」

ナ「えぇ、直ぐに…」


そう言ってナタリーは寝室へ行って伊達のタオルケットを持ってきて掛けてあげた。


ナ「あ、二人もごめんなさい…咄嗟のことで…」


萩原と松田にグラスを投げた事を謝罪するナタリー。


松「いや、気にすんな」

萩「そうだね。君がああしてくれなきゃ、俺達は見続けるだけしかできなかっただろうしね。」

ナ「見ちゃダメよ…取り敢えず水飲む？」


そう言ってナタリーは二人にも買ってきたミネラルウォーターを渡した。
ソファーに座り暫く無言でいたが、松田が溜息と一緒に話し出す…


松「あいつ…女だったよな…」

ナ「えぇ…確認したけど…女性だったわ…」

萩「長年いたけど…気づかなかったなぁ…」


だが、萩原と松田のショックは大きくなかった。
時々見せる笑顔…松田は何時だったに見たあの夜の時の表情…
思い出せば、理樹が女性だと言っても納得する行動はある…


松「あいつは隠してたんだな…」

萩「俺達はどうしたらいい？」

ナ「どうしたらって？」

萩「俺達が理樹を女性だと知った事…それを本人に言うか…気付かないフリするか…」

ナ「でも、今は変装を解いてるのよ？起きたら気付くんじゃ…」

松「来間だけ知ってるのはどうだ？」

ナ「私だけ？」

松「あぁ、たまたま知ったと…同じ女ならまだダメージも少ねぇだろ？」

萩「そう…だね、それで理樹がいっそ俺達に明かせば改めて宜しくだし、秘密にしてるなら理樹の心の順番が整うまで…そうしようか？」

ナ「そうね…取り敢えずそれで様子を見てみましょう。私が上手く誤魔化したみるわ。」

松「頼んだ」

萩「ごめんねナタリーさん」

ナ「大丈夫よ。それじゃあ今日はもう休みましょうか。」

松「伊達は…このままでいいだろ」

萩「だね！」


そうして三人はそれぞれ寝室へと入っていった……




そして翌朝…



『ふわぁぁ…うー…ん？』


目が覚めたAは変装が解かれている自分の姿を見てどんどんと青ざめる…


『……まさか……！！』

「ん…あら、理樹起きたの？」

『っ！！！』

理樹の正体5→←理樹の正体3

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す