親友3 ページ27
『ちょ…可哀想だから我慢…してたのにっ…ククク…』
「アハハハハハ!!」
『アハハハハハ!!』
松田の見た事ない顔に二人は大笑いした。
「はー…笑った笑った…」
『あー…ほんとにね…』
そう言って理樹は人差し指で笑った事で出てきた涙を拭った。
「君の大笑いした顔は初めて見るよ。」
『そうかい?』
そう言ってふんわりと理樹が微笑んだ。
ドキッ……
「…?」
何か胸に違和感を感じた萩原だったが、それが何か分からず首を傾げた…
『どうしたんだ?』
「いや…なんでもない…?うん…」
『なんで疑問形なんだ…』
「ぅ……」
『あ、起きた』
「陣平!大丈夫?」
「あ…あぁ…う…水…」
「はいはい。で、気分は?」
「最悪だ…喉全体にスライムみてぇに張り付いてる感じがする…」
『だろうね…でも、数日したら綺麗になる筈だよ。萩原も怪我したら飲ませてあげる。』
「怪我しないように善処します。」
そうして数日経ち、松田はいよいよ退院することが出来た。
萩原が暮らしている家に行き、これからはここで同居する。
2〜3日は松田の必要な日用品を買い揃え、言葉もなんとか覚え始めた松田は、萩原か理樹とリハビリがてら外へ散歩するようになった。
退院直後は支えが無くても歩けたが、速度はゆっくりなものだった。それも日に日に早くなっていく。
「だいぶ早くなったね!」
「あぁ…まだ走る事はできねぇけどな。」
「そこは焦ったって仕方ないよ!……ねぇ陣平。」
「なんだ?」
「…理樹の笑った顔見た事ある?」
「笑った顔?微笑くらいならあるが…」
「1回だけ見たんだ…爆笑してるとこ…」
「あいつが爆笑?想像できねぇな。」
「うん…でもさ…なんだろ…んー…もう一度見たいんだよね…」
「あ?なんだそれ…」
「上手く言えないんだけど…こう…ん〜〜。」
理樹のあの時の笑顔を見てから、ずっと心に引っかかるものを感じていた萩原。
だが、その気持ちが上手く言えず萩原は頭を悩ます。
「まぁ、部屋は別だが今は近くにいるんだから、いずれまた見れるだろ。」
「うん……」
少しソワソワしたような萩原の表情に、松田は面倒くさそうに空を見上げた……
その日の夜中……
松田は目を覚ましてトイレへ向かう。
さっさと済ませて部屋に戻ろうとした時、リビングの方から風を感じ、導かれるように静かにそちらへ向かった。
すると、リビングのテーブルに上半身を突っ伏すように眠る理樹がいた……
.
613人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
九実(プロフ) - 淋さん» 伊達さんにとっては驚きでしょうねw再開した時が楽しみですw!!次ではいよいよ映画ストーリーですよ! (2019年7月14日 0時) (レス) id: 8f700df676 (このIDを非表示/違反報告)
淋 - 遂にきた…異次元の狙撃手!!そして帰国後には……フフフ……楽しみすぎるwwそして萩原、夢主ちゃんに助けてられたな……それに降谷と赤井のことを聞いた伊達さんの反応好きww (2019年7月14日 0時) (レス) id: b523bf60c6 (このIDを非表示/違反報告)
九実(プロフ) - ノンちゃんさん» 続編は下書き中です!!時間になったら解放しますので、その時はよろしくお願いします!! (2019年7月13日 3時) (レス) id: 8f700df676 (このIDを非表示/違反報告)
ノンちゃん(プロフ) - 続編は、下書き中ですか?何時かの更新を楽しみに待ってます。体調には、気をつけて、無理しないで下さいね。 (2019年7月13日 0時) (レス) id: bf7d4277de (このIDを非表示/違反報告)
九実(プロフ) - kzさん» 松田は確信犯、夢主は多分気づいてないでしょうねwそこが松田のむっつりスケベなところですなw (2019年7月11日 22時) (レス) id: 8f700df676 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:九実 | 作成日時:2019年6月2日 18時