厄介事 ページ9
その後スイッチの力を知ったAは、時々内緒で使うことにした。
だが、願う内容は『褒めてください』が多い。
『いけないと分かりつつ、降谷さんの絶対にしない「褒め」が癖になりそう…風見さんにも言って…いや、言ったら絶対怒られる…!!』
降谷さん命の風見には決して言えぬこと…風見もあれからスイッチのことは何も聞かないので、寧ろ好都合だ。
『…とは言ってもいけないよね…こんな…』
使うのを止めなければと思っていたある日、たまたま休日で家でのんびり過ごしていると…
〜〜〜♪
『あ、電話!!』
慌ててスマートフォンを取るとそこには「降谷さん」の文字が…Aは直ぐに電話に出る。
『お疲れ様です!小桜です!』
「小桜か!?悪いが、1時間後に私服でメールで送る場所にまで来てくれ!!」
『え!?どういう……切れちゃったよ……』
内容を聞く前に切れてしまい、Aは唖然とした顔で真っ暗になった画面を見つめる。
ーーピロン!ーー
『わっ!メールだ…ここに来いってことか…私服って言ってたよね…潜入か何かかな…ってことは少しお洒落にするか…』
そう思い直ぐに支度を始める。
簡単だが動きやすく且つ可愛くお洒落にして家を出る。
メールで送られた場所に着くとそこは……
『「喫茶店ポアロ」???』
何故喫茶店に?ここで作戦会議?聞いた事無いけど…
不審に思いながら喫茶店のドアを開ける。
ーーカランーー
「いらっしゃ……」
『……』
中に入ると聞き覚えのある声がして、そっちを見ると、沢山の女子に囲まれた困り顔の上司が……
「Aさん!!待ってたんですよ!?」
『えっ!?』
何が何だか分からない。普段と口調が違う彼はツカツカとAの元へ来てグイッと肩を寄せる。
「紹介しますね。こちらが先程言った僕の彼女です!!」
「「「『えええぇぇぇぇぇ!!!!?』」」」
彼の発言に囲んでた女子達だけでなくA本人も叫んだ。
Aは驚いてバッと彼を見上げる。するとニッコリ微笑んだように見えて薄く開いた目から…
ーー「いいから黙って演じろ!!」ーー
『え…えへへ…もうっ!こんなところで恥ずかしいじゃないですか!!』
目は口ほどに物を言うとあるが…あれはぶっ刺す程の勢いだった…逆らった自分の身が危ないやつだ!!
Aは直ぐ様恥ずかしそうに俯いて彼の胸を軽く叩く。
「すみません、皆さんに彼女はいるのか聞かれて…「います」って言ったら……」
137人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぽむ(プロフ) - すき。語彙力ないんですけど、この作品が好きです。ありがとうございました。 (2022年5月12日 23時) (レス) @page40 id: 10c6d472ea (このIDを非表示/違反報告)
九実(プロフ) - Shamrockさん» お褒めの言葉ありがとうございます!!皆様の応援のお陰でやってこれました!!これからもよろしくお願いしますm(_ _)m (2019年4月6日 6時) (レス) id: 8f700df676 (このIDを非表示/違反報告)
九実(プロフ) - おったまげさん» ありがとうございます!色々伏線がありましたねw1度読んだ後、もう一度読んだ時に伏線を見れるのが面白いように書きましたw! (2019年4月6日 6時) (レス) id: 8f700df676 (このIDを非表示/違反報告)
Shamrock(プロフ) - 九実さんの作品ほんと好きです。文才だなぁと思いながらいつも見ています。これからも頑張ってください (2019年4月5日 23時) (レス) id: 4a04417653 (このIDを非表示/違反報告)
おったまげ(プロフ) - もう本当に読んでいて素晴らしかったです。催眠のスイッチの部分とか、最後の最後にあぁこういうことだったんだ!って一人で感動してました(笑)これからも連載頑張ってください^ ^ (2019年4月5日 23時) (レス) id: e18c4166e3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:九実 | 作成日時:2019年4月5日 11時