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本気の気持ち3 ページ30

「ならいいんだ…それで…?」

『え?』

「Aはどうなんだ?俺の事をどう思ってる?」


Aは今までの事を思い出す。
最初に会った時から尊敬し、憧れたこと。
嘘でも恋人になりデートが出来て凄く楽しくて嬉しかったこと。
そして徐々に安室も…降谷も好きになっていたこと。
彼が他の女性といてどうしようもない悲しみと嫉妬に泣いたこと。
その全部が思い出され、Aは胸を熱くした。


『……きです』

「ん?なんだ?」

『好きです…降谷さん…』


ポロポロと出てきた涙…その涙と一緒に彼への想いも伝える。
その言葉を聞いた瞬間、降谷は優しく微笑み抱きしめた。


「俺も好きだ…A…」


二人は見つめ合い、ゆっくりと唇を合わせる。


『ゆ、夢じゃ…ないんですよね?』

「あぁ…確認してみるか?」

『へ?確認って…?』


すると今度は意地悪そうにニヤリと笑い、Aの首元に顔を埋めた。
驚いてる隙に首筋にチクリとした痛みが走る。


『いっ!?』

「ふっ…ほら…夢じゃないだろう?」


意地悪そうに首筋を指でなぞる。
その感覚にビクリと体を震わせた。


「……いい反応するんだな」

『え?』

「顔が真っ赤だ…今にも熟れて食べ頃みたいだな…」

『た、食べ!?』

「…冗談だ…」


降谷は目元を手で覆い、フーっと息を吐くと体を起こした。


『降谷さん…』

「なんだ?」

『あの…手首のネクタイ取ってください…』

「……ダメだ」

『なんでですか!?あの…抱きしめ合いたいのですが…』

「尚更ダメだ…」

『だからなんでですか!?』

「歯止めが聞かなくなるだろう!?」

『歯止めって…』

「分かってくれ…今にもお前を襲いそうになるのを堪えてるんだ…やっと想いが通じあったから欲が出るさ…だが、それ以上に…大切にしたいんだ……………これ以上言わせるな」


手で隠れた隙間から真っ赤に染まった頬や耳が見え、Aはクスリと笑う。


『降谷さん…ネクタイ取ってください…』

「お前っ!分からないのか!?」

『分かってますよ…だからこそ抱きしめ合いたいんです…』

「…いいのか?途中で止めに出来ないぞ?」

『はい…降谷さん…あ、えっと……』


突然言葉を詰まらせたAに首を傾げる。
するとAもまた真っ赤な顔をしながら降谷を見つめた……





『……零…さん?』


「ーーっ!!全く…覚悟しろよ?」


シュルっと手首のネクタイを取り二人は抱きしめ合う。
そして二人は熱い想いをぶつけ合った…

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ぽむ(プロフ) - すき。語彙力ないんですけど、この作品が好きです。ありがとうございました。 (2022年5月12日 23時) (レス) @page40 id: 10c6d472ea (このIDを非表示/違反報告)
九実(プロフ) - Shamrockさん» お褒めの言葉ありがとうございます!!皆様の応援のお陰でやってこれました!!これからもよろしくお願いしますm(_ _)m (2019年4月6日 6時) (レス) id: 8f700df676 (このIDを非表示/違反報告)
九実(プロフ) - おったまげさん» ありがとうございます!色々伏線がありましたねw1度読んだ後、もう一度読んだ時に伏線を見れるのが面白いように書きましたw! (2019年4月6日 6時) (レス) id: 8f700df676 (このIDを非表示/違反報告)
Shamrock(プロフ) - 九実さんの作品ほんと好きです。文才だなぁと思いながらいつも見ています。これからも頑張ってください (2019年4月5日 23時) (レス) id: 4a04417653 (このIDを非表示/違反報告)
おったまげ(プロフ) - もう本当に読んでいて素晴らしかったです。催眠のスイッチの部分とか、最後の最後にあぁこういうことだったんだ!って一人で感動してました(笑)これからも連載頑張ってください^ ^ (2019年4月5日 23時) (レス) id: e18c4166e3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:九実 | 作成日時:2019年4月5日 11時

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