偶然2 ページ26
『…』
一人スマホのメール画面を見ていると、ガチャとドアが開き降谷が入ってきた。
「お疲れ小桜」
『…お疲れ様です降谷さん…』
「それで話ってなんだ？」
Aは先程『大事な話があります』と降谷にメールを送っていた。
『降谷さん…』
Aは立ち上がり彼の前に立つ。
「どうした？」
グッと拳を握り意を決する。
『降谷さん…もうやめましょう。』
「え…？」
『もう…恋人のフリをするのをやめましょう…』
「何をっ…！！？」
ーーﾋﾟｯ!ーー
その瞬間持っていた催眠スイッチを押した。
また虚ろな目をして静かになる彼に、Aは堪えていた涙がポロポロと出てきた。
『ごめんなさい降谷さん…降谷さんに好きな人が出来たなら諦めなきゃって…だから恋人解消される前に自分からケリ付けたかったんです…
嘘でも幸せな時間をありがとうございます…』
こんな時だから落ち着いて本音が話せる…
『降谷さん…大好きです…でもっ…恋にうつつを抜かして感情的になっていては公安失格ですよね…私はこれからも降谷さんの側にいたいです…
でも、この気持ちのままじゃあなたの側にいられない…だから…』
Aは握っていた手をゆっくりと開く…
手の中にあったスイッチが手を転がり、カシャンと床に落ちる…
『このスイッチと共に…降谷さんへの想いも壊します！！！！』
「…まっ！！！！」
ーーバキッ！！！！ーー
Aは思いっきりスイッチを踏み壊した。
『お疲れ様です降谷さん！』
「待てA！！！！」
Aが走り出し、降谷もその後を慌てて追いかけた。
走って曲がり角に差し掛かった時……
「おっと！」
『きゃ！…風見さん！』
「小桜！？どうしたんだ？」
すると遠くで降谷が自分を呼ぶ声が聞こえる。
『風見さん、訳は後で説明します！それではっ！』
慌てて去ろうとすると、ガっと風見に腕を掴まれた。
『えっ！？』
「風見！！！！」
「降谷さん！！…どうしたんですか？」
「Aを見なかったか！？」
「小桜ですか？小桜なら先程慌てた様子で向こうへ走り去って行きましたが…何が「くそっ！！」
「降谷さん！？……行っちゃった……」
聞いた瞬間行ってしまった…降谷が見えなくなるまで待ち…
「…もう出ていいぞ」
『ふぅ…』
風見の後ろのドアからAがひょこっと顔を出す。
『すみません風見さん…』
「何があったかは後でゆっくり聞く。とりあえず行くぞ。」
.
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ぽむ(プロフ) - すき。語彙力ないんですけど、この作品が好きです。ありがとうございました。 (2022年5月12日 23時) (
レス) @page40 id: 10c6d472ea (このIDを非表示/違反報告)
九実(プロフ) - Shamrockさん» お褒めの言葉ありがとうございます！！皆様の応援のお陰でやってこれました！！これからもよろしくお願いしますm(_ _)m (2019年4月6日 6時) (レス) id: 8f700df676 (このIDを非表示/違反報告)
九実(プロフ) - おったまげさん» ありがとうございます！色々伏線がありましたねw1度読んだ後、もう一度読んだ時に伏線を見れるのが面白いように書きましたw！ (2019年4月6日 6時) (レス) id: 8f700df676 (このIDを非表示/違反報告)
Shamrock(プロフ) - 九実さんの作品ほんと好きです。文才だなぁと思いながらいつも見ています。これからも頑張ってください (2019年4月5日 23時) (レス) id: 4a04417653 (このIDを非表示/違反報告)
おったまげ(プロフ) - もう本当に読んでいて素晴らしかったです。催眠のスイッチの部分とか、最後の最後にあぁこういうことだったんだ！って一人で感動してました(笑)これからも連載頑張ってください^ ^ (2019年4月5日 23時) (レス) id: e18c4166e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：九実
| 作成日時：2019年4月5日 11時
