印象 ページ2
幼い頃から警察官になりたいと夢見ていた。
目指すならとことん目指してやろうと、死に物狂いで勉学と武術を学んだ。
その甲斐あってか若くして警視庁公安部に配属になった時には本当に嬉しかった。
だが、いくら成績良くても、いくら強くても私には欠点がある……
それは私が「女」ということだ……
「女だから何?」そう思っていても、頭でっかちな上の奴らは違う…
「たかが女が」「女だからな」「女なんて」
「女」ってだけで理不尽なことは今まででも多々あった。
それでも悔し涙を隠してここまできたのだ……
そんな時私がたまたま出会たのは…………
「君が新しく配属されたっていう奴か?」
目の前にいる人の第一印象は『随分と若い人だな』だった。後に年齢を聞いて言葉を失ったけど…
『はいっ!!小桜Aと言います!!よろしくお願いします!!』
深々と頭を下げた時、その人はボソッと「女か…」と呟いた。
あぁ、またか…この人もまた「女差別」をする人か…そう思いながら頭を上げた。
「小桜、君は女だ。それは変えることはできない。」
『はい?』
突然何を言い出すのだろうと思った。
「今まで「女」ってだけで理不尽な仕打ちを受けたのだろうな。」
『っ!!』
「俺もこの見た目だ…上の奴らは色々言ったが関係ない。ここじゃ男だろうが女だろうが関係ない!!
「女だから」なんてくだらん事言う奴は蹴り落とせ!!見返してやれ!!
自分が信じる正義を貫け!!!」
『は!はいっ!!!!』
嬉しかった。本当に嬉しかった。
初めて「女の私」ではなく、「小桜A」を相手してくれる人がいたことに。
この人に付いて行こう。この人の為に体を張ろう。と決意し、後にこの人、降谷零は私にとっては憧れであり尊敬する人になった…
そして今では…………
『うう…書類が全然減らない…』
目の前のパソコンと睨めっこしながら嘆く。
すると隣に私の上司である風見さんが少し雑な口調で言う。
「泣き言言ってる元気があるなら打て!」
『すみません風見さん…今すぐこの山積みの書類にラリアット噛ましたいです…』
「そんな事したら減給するぞ?」
『怖くてできません』
泣く泣くキーボードを打ちながら書類を片付けていく。
『今日こそ早く帰って録画してる映画見るんだ…』
「なら喋ってないで打て!」
『はい』
カタカタとキーボードを打っていると、バタンとドアが開く音がする。
皆がドアの方を見て慌てて立ち上がった。
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ぽむ(プロフ) - すき。語彙力ないんですけど、この作品が好きです。ありがとうございました。 (2022年5月12日 23時) (レス) @page40 id: 10c6d472ea (このIDを非表示/違反報告)
九実(プロフ) - Shamrockさん» お褒めの言葉ありがとうございます!!皆様の応援のお陰でやってこれました!!これからもよろしくお願いしますm(_ _)m (2019年4月6日 6時) (レス) id: 8f700df676 (このIDを非表示/違反報告)
九実(プロフ) - おったまげさん» ありがとうございます!色々伏線がありましたねw1度読んだ後、もう一度読んだ時に伏線を見れるのが面白いように書きましたw! (2019年4月6日 6時) (レス) id: 8f700df676 (このIDを非表示/違反報告)
Shamrock(プロフ) - 九実さんの作品ほんと好きです。文才だなぁと思いながらいつも見ています。これからも頑張ってください (2019年4月5日 23時) (レス) id: 4a04417653 (このIDを非表示/違反報告)
おったまげ(プロフ) - もう本当に読んでいて素晴らしかったです。催眠のスイッチの部分とか、最後の最後にあぁこういうことだったんだ!って一人で感動してました(笑)これからも連載頑張ってください^ ^ (2019年4月5日 23時) (レス) id: e18c4166e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:九実 | 作成日時:2019年4月5日 11時