愛か友情か…それとも復讐か

オールド・パルstory2 ページ22

明美は苦笑いして話を続ける。


「私が車で轢いちゃって…」

『え！？轢いたぁ！？』

「でも、彼は寛大な心で許してくれて…」

『え！？許したぁ！？』

「そんなところに惹かれて…」

『え！？惹かれるぅ！？』

「それで彼と恋人に…」

『なんでその流れで付き合うのよ！！？』


最早ツッコミと化したが、ふとAは考える……


『ねぇ…明美…その彼少し怪しくない？』

「ん…どうだろ…」

『まぁ…明美がそれでいいのならいいけど…』



そして後日、気になったAはこっそりその彼を探した。
そして明美と共に歩いている後ろ姿を見つけ、直ぐに後を追う。
そしてふと、彼の顔を見た瞬間……


『ーーっ！』


彼の鋭い翡翠色の瞳に心惹かれた……
そしてその隣で楽しそうに笑う親友の明美……


『明美…幸せそうね…』


初めて恋を知ったと同時に失恋を知った…
だが、惹かれた相手でも、親友との出会いに違和感を感じていたAは独自に調べていた。
そして辿り着いてしまったのだ……

ある日、Aは明美が一人でいるところを見計らって会いに行く。


『明美…』

「あらAじゃない！どうしたの？」

『…貴女に警告しにきたの…』

「警告…？」

『えぇ…貴女の恋人…諸星大は…FBI捜査官の赤井秀一よ！』

「…」

『彼は組織のノックだったんだわ…貴女に近付いたのも多分…もう彼とは関わらない方がいい！ノックだとバレたら貴女も危ないわ！』

「…心配してくれるのね？」

『明美…？』

「なんとなく分かってた…けど…ごめんね…私…っ」


そこで何となく分かってしまった…彼女もまた、離れられないくらい彼の事を愛してしまっていた事を…
Aは明美を抱きしめる。


『明美…分かった、無理強いはしない…けど、危なくなったら直ぐに言って？貴女一人逃がすくらいならできるんだから！』

「心配してくれてありがとう…」



だが、その約束は叶う事は無かった……
ライがノックだとバレてしまい、明美は組織を妹と抜けようとジンと話す。
そして10億円事件を起こし、彼女は倉庫でジンと対峙した……

その話を聞きつけたAは直ぐに倉庫へと向かった。


『明美！！！！！！』


ところが、少しのところで間に合わず、目の前には倒れた彼女がいた。
直ぐに駆け寄るとまだ意識のある明美。


「A…ごめんね…忠告してくれたのに…」

『そんな…明美…なんで…』

「ねぇ…最後のお願い…聞いてくれる？」

『…なに？』

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