愛か友情か…それとも復讐か

決戦4 ページ20

彼女を優しく置き、自分の上着を脱いで彼女に掛ける。


「もう大丈夫だ。奴らを捕まえてやるさ！！」


赤井秀一の翡翠色の瞳が強く輝いた。
それを見たコナンは真剣な顔付きになり「あぁ！！」と同じく決意を固くした。

コナンを先頭に歩き出す。その時、赤井は振り返って呟いた…


「待ってろ…後で迎えに来てやる…」


そして赤井は駆け足でコナンの後を追った……


彼女の言う通り、黒幕達は屋上のヘリではなく、車で逃走しようとしていた。
そこを取り囲み、ボスが最後の抵抗と拳銃を向けた瞬間「いっっけぇぇぇ！！！」とコナンがサッカーボールを顔面目掛け蹴り、見事当たって倒れた所を取り押さえた。


「これで黒の組織は壊滅だ！！！」


コナンがそう叫んだ瞬間…


ﾄﾞｫｫｫｫｫﾝ!!!!


皆の背後にあるビルから爆発音がした。
後ろを振り向けば、次から次へと爆発音がして、建物の破片が飛んでくる。


「チッ！！全員退避！！！」


降谷が舌打ちし叫んだ。屋上に行った人達は置いてあったヘリに乗り込み脱出をする。
皆がそれぞれビルから離れる中、一人だけ近くでビルを見上げる男がいた…


「赤井さん！！早く逃げて！！」

「……中にまだ彼女が！！！」

「ダメだ赤井さん！！！」


ビルに入ろうと走り出す赤井にコナンが叫ぶ。


ガシッ！！！


「っ！？」


走り出す赤井秀一を止めたのは降谷零…彼だった。
すると目の前でガラガラと建物が崩れる。
それを見た降谷は直ぐに赤井を引っ張り下がった。
崩れた瓦礫が落ちて入口を塞いだ。


「降谷君！！何故止めた！？」


赤井がそう叫ぶと、降谷は彼の前に立ち右手で拳を作って強く握った後、思いっ切り振りかぶった…


ゴッ！

ドサッ！


降谷に殴られ赤井は座り込む。それにコナンが慌てて赤井に駆け寄った。


「彼女を連れ出す為に更に犠牲者を増やすつもりか！？」

「…」

「俺が恐れる赤井秀一という男は…こんなことも立ち直れる男だと思っている…！！」


降谷はそれだけ言い歩き出す…それは彼なりの励ましの言葉だった…
ジョディとキャメルが来て赤井を支え立たせる。


「シュウ……」

「分かっているさ…」




遠く離れた工藤邸で、彼女は窓から外を眺める…


「Good bye,Old・Pal…貴女の思いは叶えられたかしら…？」


彼女の姿をした女は静かに涙を流した…





【オールド・パル】




ライウィスキーとベルモットを使用したカクテル







カクテル言葉は……








【思いを叶えて】

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