シュレッダーの義娘は亀に恋をした

２０回目のストーリー ページ29

対戦が始まると、他の人たちは参戦はして来ない。空気を察して私と相手の一対一でやらせてくれている。
刀が交わると共にあの子にはかすり傷が増えていく。守れていると思っているだろうが大間違い。隙が多過ぎてめっちゃ狙いやすい。獲物は逃したくない。
だけど、エッくんがあの子を睨んでいたので戦いたいのかと思い、少し距離をとってエッくんと交代する。

「手は抜いてね？」

｢分かってるよ。｣

本当かな〜？分かってたこと数回しかないぞ。

「(エッくん)大丈夫だと思う？」

｢(ふた子)･･･ダメだろうな。｣

「(絶対に相手の心配してるよ。確かに心配だけど)そっちじゃなくて。」

｢あいつじゃないのか？｣

何と言うことでしょう。カーくんが相手を心配するとは(指さしてるけど)珍しい。

「エッくんだよ。」

｢あぁ、エンマも難しいんじゃないか？分かったと言いながら、分かっていない時が多い。｣

「ですよねー。」

こればっかりは、あの子に同情する。気の毒に。なーんて思っていたらもう遅くて、あの子はボコボコにされて動けなくなっていた。

｢終ったぞ！｣

満面の笑みで帰ってきたエッくんは、まるで子犬が飼い主におもちゃをとってきて｢褒めて褒めて｣としっぽを振っている様だ。いや、もうエッくんにしっぽが見えてきた。
｢えらいえらい｣という意味をこめて撫でれば、キラキラした瞳で見られたら可愛いったらありゃしない。
カーくんは何故か拗ねてるよ。この子にも耳やしっぽがみえてきたわ！可愛い！！

「どしたのカーくん。」

ってきけば、

｢いや、ただ羨ましかっただけだ。｣

って赤面しながら言うの！そこの奥さん想像してみて頂戴、推しキャラがツンデレで口を少し尖らせてムッってしてからの、｢俺もやってほしいのに｣と拗ねてしまい今度はシュン･･･となっているところを！可愛いでしょ！！？萌えるわ、ギャップ萌え！！！！！こっちも撫でたら･･･
パァッ！って明るくなった！！可愛いかよ！！！

「ありがとね。二人とも！心配してくれて。」

｢｢いいんだ。きにするな。｣｣

照れ臭そうに彼らは笑う。誤解も解けたし、タートルズのところに行く。

｢もういいのか？｣

レオが聞いてくる。勿論、

「うん。大丈夫。」

と、答えた。

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