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054 騎士の記憶 ページ10

轟音と悲鳴が周囲に響き渡っている

公道に転がっている車に他の車が突っ込んでいく

街の中、水色の鎧と兜、青のマントが目立つ

その騎士の腰に提げられた剣が人々の目を引く

「……どこにもいない」

兜の中からこぼれた声からは、性別を判別することは出来ない

騎士は何かを探すように辺りを見回した後、諦めたように肩を落とし他の場所へと体の向きを変えた

その背後から

金木犀「A!!」

凛とした声が響いた

その声に騎士はピクリと反応し、ゆっくりと振り向く

「……金木犀……それに、夜空も……」

夜空「A!! なぜこんな事をするんだ!」

漆黒の剣を携えた男が言った

騎士はそれに首を傾げて考える素振りを見せる

数秒後、兜の下から返答が来た

「主さまの命令だから」

その言葉に、2人の剣士とその後ろにいた4人の者たちは驚愕と悲しみを表情に載せた

白山「A……それはどういう事なのですか」

後ろにいたつるぎの付喪神は掠れた声で問うた

騎士は彼をじっと見つめた後、こう口にした

「……あなたは誰?」

その一言で6人全員が息を呑む

嘘だ、まだAが攫われてから6時間しか経っていないはずだ

誰もがそう思った

そして願った

これは悪い夢であってくれ、と

夜空「……あいつらは、24時間なんて嘘を吐いたんだ」

大切なところ以外を省略した言葉は、隣にいた金木犀の剣にだけ届いた

だが、夜空の剣の言葉はある意味では当たっているが、根本的なところは外れている

確かに、彼女は24時間経っていない今でも、周囲の物を破壊し、周辺を恐怖と混乱で染めている

そう考えれば、夜空の剣の言葉は当たっていると言えよう

しかし、歴史修正主義者は文でこう伝えていたのだ

24時間後に青薔薇の剣は堕ちる

青薔薇の剣も、6人も気付いてはいないことだが、彼女はまだ堕ちてはいない

彼女は、霊力を入れ替えられただけである

硝子製の薔薇で霊力を吸い取り、別の者が青薔薇の剣を再顕現しただけなのである

それでなぜ彼女の記憶がなくなったのかと聞かれれば、答えは簡単だ

付喪神にとって、霊気は記憶なのだ

例えるなら、スマホ等のSDカード

付け加えて説明すると、刀剣が政府に回収されるまでの記憶は、それ以前の持ち主達の霊気によって構成されている、言わば初期設定のようなもの

つまり、再顕現された青薔薇の剣は、アンダーワールドの記憶は残っているものの、本丸での出来事はごっそり抜け落ちているのである

055 兜→←053 鎧と外套



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白(あきら)(プロフ) - 銀狼さん» ありがとうございます!頑張ります! (2019年10月13日 23時) (レス) id: 46e374d1c8 (このIDを非表示/違反報告)
銀狼(プロフ) - 続編おめでとうございます!いつもいつも楽しみにさせて頂いております!これからも更新頑張ってください! (2019年10月13日 10時) (レス) id: c5721a90b8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白(あきら) | 作成日時:2019年10月13日 2時

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