057 手掛かり ページ13
青薔薇の剣が安心して深い眠りについて数時間が経過したころ、本丸では、男士とアスナが彼女が置いて行った兜を囲んでいた
兜の隣にはこんのすけが座っており、見た事もない機械を兜に付けて反応が出るのを待っている
6人が兜を持ち帰ってきた後、アスナは何とかして青薔薇の剣の行方を探ろうと頭をフル回転させて考えていた
そこで思いついたのが、「持ち帰ってきた兜の霊力を調べれば、少なくとも霊力の持ち主は分かるだろう」という物だった
これでは青薔薇の剣の場所は分からないが、今の状況ではそこまでの我儘を言っている暇はない
既に、彼女が攫われてから10時間が経過しようとしているのだ
今のこの待機時間でさえも惜しい程なのだが、今は1つでも多くの手掛かりが欲しい為、全員が座って辛抱強く待っているのだ
張り詰めた雰囲気の中、機械の心音のような電子音だけが空気を震わせる
こんのすけも、固唾を呑んで見守る
ピ、ピ、ピ、ピ……
ピピピピピ!!
アスナ「!!」
規則正しく鳴っていた電子音が急にうるさく鳴り響いた
金木犀「なんて出た!?」
こんのすけ「この霊力の持ち主は……」
こんのすけは機械が示した数値と審神者全員のデータが載っている端末とを交互に見た後、1人の審神者名を口にした
こんのすけ「
アスナ「雄……その人のところに、Aちゃんがいるの?」
こんのすけ「それの断言は出来ません。しかし……」
そこで、こんのすけは言葉を濁す
夜空「しかし?」
こんのすけ「この雄という審神者は、時の政府でも問題視されている審神者なのです
現在、彼の刀剣男士は全員……闇堕ちしており、彼は刀剣男士らと共に行方を眩ましています……」
こんのすけがしょんぼりと耳を下げながら言った
全員が黙る
その沈黙を破ったのは白山だった
白山「あの、彼の顔写真は無いのですか?」
アスナが思い出した様に続ける
アスナ「そうよ。彼も審神者なんだから、初期刀を選ぶ前に顔写真を撮っているはずよ」
こんのすけはそれに頷いて、端末を操作し雄の写真を見付けた
写真を端末の画面全体に映るようにして、アスナに見せる
その脇から、男士たちが画面を覗き見る
その顔を見て真っ先に反応したのはアンダーワールド出身の2振だった
金木犀「……似てるな」
夜空「ああ。似てる」
2人揃って真剣な顔で言う
アスナ「誰に似てるの?」
夜空「Aの前の主のユージオの坊主にだ」
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白(あきら)(プロフ) - 銀狼さん» ありがとうございます!頑張ります! (2019年10月13日 23時) (レス) id: 46e374d1c8 (このIDを非表示/違反報告)
銀狼(プロフ) - 続編おめでとうございます!いつもいつも楽しみにさせて頂いております!これからも更新頑張ってください! (2019年10月13日 10時) (レス) id: c5721a90b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白(あきら) | 作成日時:2019年10月13日 2時