隠さなくても、いーですか？ ＊不器用男子高校生×爽やか系非常勤教師 〈BL〉

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「ごめんね待たせちゃって」


「別に大丈夫だけど、」


桜庭より早く終礼が終わった俺は

桜庭より早く下駄箱に着いた。


一体何事だろうと

頭を悩ませていた俺としては

早く本題に入ってほしい。


いや、

というか

俺の方から報告すべきなのか？



「別に、

そんな身構えなくていいよ」


靴を履き終えた桜庭が

俺を見て笑う。


そんなにあからさまに

顔に出ていただろうか。



「行こっか」


「うん」


どこに？と思ったけど

とりあえず黙ってついていく。



「付き合ってって言ったのは

謝りたかったからなの。」


コンビニの方へと続く

大通りを歩きながら桜庭は言う。



「別になんもされてないけど」


謝られるようなことされてない。



「金曜日、ごめんね。」


キスのことを言ってるんだろうか。


それとも、

そこに至るまでの経緯？



「あれは、

浩司がが悪いから。


桜庭のせいじゃない。」


どちらにせよ、浩司の責任だ。



「うまく行ったみたいだね、二人」


「え？」


「佐々木くんと先生」


振り返って俺を見て笑う。



「なんで、」


「先生、学校辞めるんでしょ？」


「らしい、けど。」


本人から直接聞いたわけではない。



「佐々木くんのためだと思うよ」


「え？」


「生徒と付き合ってるのが

学校にバレたらヤバいじゃん」


「まあ、確かに」


でもあの人は

これまでも色々

バレたらヤバいことをしてきた男だ。


今更辞めたりするだろうか。



「まあそれは

先生に直接聞けばいいよ。


家、向かいなんでしょ？」


「うん、、え？」


桜庭にその話はしてない。



「先生の住んでる家くらい

把握済みに決まってるじゃん」


言われてみればそうだ。



「最初から

無謀な闘いだったのかもね。


先生、

私のことなんか全然見てなかったもん。


やっぱ幼なじみ強いわー」


泣きそうな顔を

無理やり笑顔にして言う。


自分が今どんな顔をしているか、

桜庭は分かってるんだろうか。



「俺は、桜庭のこと凄いと思う」


「慰めとかいらないから。

ちょっとコンビニ寄っていい？」



コンビニに入ろうとする桜庭の腕を

慌てて掴む。



俺だって、

桜庭に言いたいことがあった。





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