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「あ、もしかして苦かった?」
「・・・別に」
浩司は昔から変なとこだけ勘が鋭い。
「なんだお前、まだガキだなー」
「ガキじゃねーし」
「そーゆーとこがガキなんだよ」
「・・・・・・。」
俺と10歳しか変わらないくせに。
自分だけ大人ぶって。
「Aのそーゆーとこ、
ずっと変わんねーよな」
「は?」
「んな顔すんなって!」
「・・・っ、」
俺だって、もう高校だし。
成人なんてもうすぐだ。
・・・ちゃんとアンタに近づいてるのに。
「Aが可愛いって話だろ」
「だから可愛いって言うなよ」
俺が下を向いた瞬間、
浩司の長い手が伸びてきて。
_____かわいーよ、A。
「っ、・・・離れろよ」
俺の肩に手を回して、
耳にふぅ、と息を吹きかける。
「・・・A、顔真っ赤」
「っ、」
俺の鼻をかすめる、甘い香水の匂い。
実験とかやるくせに、良いんだろうか。
「っ女子が来ないからって、
男に手出してんじゃねーよっ、」
破裂しそうな心臓を何とか抑えて、
浩司を思いっきり突き飛ばす。
「あ、バレた?」
「っ、」
「Aなら女子の代わりに
相手してくれるんじゃないかなーって。
ちょっと図々しかったね、ごめんごめん」
浩司は、
悪びれもなく言葉を吐く。
俺の気持ちなんか知らないで。
「・・・してやってもいい」
「え?」
「女子の代わり、・・・してやってもいい」
いつもへらへらして
腹ン中で何を思ってるか読めない男が、
驚いたように目を見開いた。
「_____ん、っあ」
襟首をつかんで引き寄せて、
浩司の唇に思いっきり噛みつく。
口の中を俺の舌でかき回して、
浩司の全部を吸い取ってやりたかった。
目の前にドアップで映る俺の好きな男は、
めずらしく俺にされるがままになっている。
「っは、・・・・・・」
掴んでいた手を離して、口を拭う。
浩司の口の中に残っていたコーヒーの香りは
さっき飲んだコーヒーより甘い気がした。
「・・・俺はもうガキじゃねーんだよ」
それだけ言い残して、
俺は理科準備室を後にした。
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文月華胡(プロフ) - 愛香さん» コメントありがとうございます(*^^*)数あるBL作品からこの作品を見つけてくださったこと、また気に入っていただけたこと、とても嬉しいです(*^^*)本当にありがとうございます! (2020年5月9日 23時) (レス) id: d648e7730a (このIDを非表示/違反報告)
愛香(プロフ) - 私BLのはあまり読んだことないんですが、面白かったです! (2020年5月8日 15時) (レス) id: 02509c761b (このIDを非表示/違反報告)
文月華胡(プロフ) - ささん» レス遅くなってしまってごめんなさい(>_<)気に入っていただけてとても嬉しいです(*^^*)活動休止中ですが、コメントいただけてとっても嬉しいです、本当にありがとうございます(* > <) (2020年3月1日 18時) (レス) id: d648e7730a (このIDを非表示/違反報告)
さ - 少女漫画みたいな恋ですね。桜庭ちゃんが良いキャラだと思います!とても好きです! (2020年2月2日 21時) (レス) id: e07dc37db8 (このIDを非表示/違反報告)
文月華胡(プロフ) - コットンさん» コメントありがとうございます!気に入っていただけたようで、とっても嬉しいです(*ToT)ありがとうございます♪(/ω\*) (2019年2月10日 23時) (レス) id: d648e7730a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:文月華胡 | 作成日時:2017年2月28日 19時