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「Aのこと、ずっと好きだった」
腕を解かれて
ようやく解放された俺は、
今自分のおかれている状況が分からない。
考えようとしてうつむいた顔は
「こっち見て、」
と顎に指を添えられて
浩司と目を会わせざるをえない。
「Aが中学入ったとき、
俺が教師することになった高校は
ここから遠くて。」
「知ってるよ」
だから浩司は、
しばらくの間都内のアパートで
独り暮らしをしていた。
「ほんとはAと離れたくなくて、
彼女とか出来たらどうしようとか、
色々思って。
でも一度採用が決まったら、
そう簡単には辞退は出来ないから」
・・・彼女なんか、出来るわけがない。
「Aが高校に上がるのと同時に、
Aの高校に移ろうって決めてたんだ」
確かに浩司は、
俺が高校に入学すると同時に帰って来た。
「A見てると
居ても立ってもいられなくて、
でもAに手出すわけにいかないじゃん？」
結局出してるけどな。
そう思ったけど、口に出すのは止めた。
そんなこと言えないくらい
浩司の目が真剣で、
その目が俺を離さない。
「そんなときにさ、
めちゃくちゃ積極的な女の子が現れて。
まあ俺としては
Aに手出さないためなら誰でも良かった
っていうか、
半ばヤケクソだったんだけど。」
「とりあえず女子に謝れ」
今度はスルー出来なかった。
言ったところで、
まあ良いから聞いてよー
って流されてしまうだけだったけど。
「そんなこんなで女の子と遊んでたら、
それをAに目撃されて。
正直終わったなって思った。
教師人生なんてどうなっても良かったけど、
Aに嫌われるのは耐えられないから。
でもA校長に言いつけたりしないし、
俺とも普通に喋ってくれるし、
え、どういうこと？ってめっちゃ考えた。
俺に興味なさすぎかよとか思って、
冗談のつもりで男もイケるって言ったら
なんか顔赤くするし。」
赤くなんかしてないハズなのに。
そう思ったそばからまた顔に熱が集中する。
「もしかして俺脈あり！？とか思って
無茶なお願いしたら
なんだかんだ受け入れてくれるし。
でもそんなの俺が求めてた関係じゃないって
死ぬほど後悔した。
そしたらA、彼女出来たとか言うし。
正直バチが当たったんだって思ったよね。」
浩司が話すこと全てが
今まで聞いたこともなかった話ばかりで。
俺が知らない浩司ばかりだった。
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文月華胡(プロフ) - 愛香さん» コメントありがとうございます(*^^*)数あるBL作品からこの作品を見つけてくださったこと、また気に入っていただけたこと、とても嬉しいです(*^^*)本当にありがとうございます！ (2020年5月9日 23時) (
レス) id: d648e7730a (このIDを非表示/違反報告)
愛香(プロフ) - 私BLのはあまり読んだことないんですが、面白かったです！ (2020年5月8日 15時) (レス) id: 02509c761b (このIDを非表示/違反報告)
文月華胡(プロフ) - ささん» レス遅くなってしまってごめんなさい(>_<)気に入っていただけてとても嬉しいです(*^^*)活動休止中ですが、コメントいただけてとっても嬉しいです、本当にありがとうございます(* > <) (2020年3月1日 18時) (レス) id: d648e7730a (このIDを非表示/違反報告)
さ - 少女漫画みたいな恋ですね。桜庭ちゃんが良いキャラだと思います！とても好きです！ (2020年2月2日 21時) (レス) id: e07dc37db8 (このIDを非表示/違反報告)
文月華胡(プロフ) - コットンさん» コメントありがとうございます！気に入っていただけたようで、とっても嬉しいです(*ToT)ありがとうございます♪(/ω＼*) (2019年2月10日 23時) (レス) id: d648e7730a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：文月華胡 | 作成日時：2017年2月28日 19時
