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「・・・知ってるよ」
いきなりのキスに驚いていた浩司の顔は、
平然とした顔に戻っていて。
ああ、やっぱり俺は
この憎たらしい顔を無様な顔にすることなど
到底できないのだと知る。
「桜庭から聞いた」
「は、」
アイツ、なに余計なこと喋ってんだよ?
「彼女がさー、
Aのこと追いかけろって言うから」
・・・自分の意思で来たんじゃねーのかよ。
追いかけてみたーとへらへら笑う顔を見て
無性に腹が立った。
俺の言ったことだって、
桜庭に言われたことだって、
どうせ本気になんかしてないんだろう。
それなら、
さっき言ったことなんか取り消して、
もう帰りたい。
「___ってのは言い訳、かな」
「は?」
「俺がAを追いかけたかった」
・・・そんなこと言って、
またどうせふざけてるに違いない。
そう自分に言い聞かせるのに、
心のどこかで、
もしかしたらなんて思う自分がいる。
そのせいで浩司の顔が
いつもより真剣に見えてくる。
「A、」
俺の名を読んだ浩司はこちらに手を伸ばして
そのまま俺を抱きすくめた。
「・・・なにすんだよ、」
さっきは気にならなかった香水の匂いが
何故か俺の鼓動を加速させる。
もしかしたらの期待が、
だんだん大きくなって
だんだん理性が働かなくなっていく。
「A、」
もう一度名前を呼ばれて、
俺を包む腕にさっきよりも力が入って、
そして。
「_____好きだよ。」
そう囁かれた気がしたのは
俺の妄想の賜物だろうか。
俺の理性は
ぶっ壊れてしまったらしい。
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文月華胡(プロフ) - 愛香さん» コメントありがとうございます(*^^*)数あるBL作品からこの作品を見つけてくださったこと、また気に入っていただけたこと、とても嬉しいです(*^^*)本当にありがとうございます! (2020年5月9日 23時) (レス) id: d648e7730a (このIDを非表示/違反報告)
愛香(プロフ) - 私BLのはあまり読んだことないんですが、面白かったです! (2020年5月8日 15時) (レス) id: 02509c761b (このIDを非表示/違反報告)
文月華胡(プロフ) - ささん» レス遅くなってしまってごめんなさい(>_<)気に入っていただけてとても嬉しいです(*^^*)活動休止中ですが、コメントいただけてとっても嬉しいです、本当にありがとうございます(* > <) (2020年3月1日 18時) (レス) id: d648e7730a (このIDを非表示/違反報告)
さ - 少女漫画みたいな恋ですね。桜庭ちゃんが良いキャラだと思います!とても好きです! (2020年2月2日 21時) (レス) id: e07dc37db8 (このIDを非表示/違反報告)
文月華胡(プロフ) - コットンさん» コメントありがとうございます!気に入っていただけたようで、とっても嬉しいです(*ToT)ありがとうございます♪(/ω\*) (2019年2月10日 23時) (レス) id: d648e7730a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:文月華胡 | 作成日時:2017年2月28日 19時