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準備室の前に立つと、
三日前のことを思い出してしまう。
あー何やってんだ俺。
あんなことしたら、
勘のいい浩司にバレちまう。
もしかして、
俺を呼び出したのはその話をするためだろうか。
「お前、何突っ立ってんの?」
・・・ノックをしないうちに気づかれた。
「・・・何の用だよ?」
「おいおい、センセーに向かってその言い方はねえだろー」
「・・・・・・。」
センセーってのは、
生徒のお手本になんねーといけないんじゃないのか。
だったら浩司は、サイアクのお手本だと思う。
「まあいいや、とりあえずそこ座って?」
いいのかよ、と内心ツッコみながら
浩司が指さす回転椅子に座る。
「休み時間終わっちゃうから
単刀直入に聞くよ?
_____お前、
ホントに俺の相手してくれんの?」
「・・・は、」
なにを言われてるのかさっぱり分からなくて
固まる俺なんかお構いなしに、
のんきな口調で浩司は続ける。
「いやー実はね、俺転勤するんだよね」
「っ、」
「いや、この学校の教師は続けるんだけど。」
「・・・どっちだよ」
「俺が働いてるもう一個の学校をやめて、
都内の女子校で教えることになったの」
「・・・だから何だよ?」
・・・むしろ獲物だらけってことだろ。
「その学校の生活指導部のセンセーが
お堅いオバサンでさー、
当分悪さは出来なさそーなんだよね」
「・・・・・・。」
ざまあみやがれ。
せいぜい大人しくしてればいいだろう。
「ってことで、
俺の相手をしてくれる女のコたちが
少なくなっちゃったわけ」
だからなんだよ。
「だからAにその穴を埋めて欲しいっていうかー」
・・・なんで俺なんだよ。
「あー、"穴"って深い意味はないからね?
くれぐれもヘンな妄想はs「してねーよ!」」
・・・考えるわけねーだろ、そんなこと。
「なら良かった。
ちなみに俺は基本タチだから」
「・・・誰も聞いてねーよ」
「で、やってくれるの?」
フツー、こんなこと生徒に頼むか?
オトナなんだから、店とかいろいろあんだろ。
・・・第一俺、男だし。
「じゃあさ、今日の放課後ここに来てよ」
俺が喋らないうちに
どんどん話が進んでいく。
「お試しってことで。
嫌だったら、もう頼まないから」
・・・なんだよそれ。
「・・・分かった。」
絶対本気にはならないって、
言われてるようなもんじゃないか。
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文月華胡(プロフ) - 愛香さん» コメントありがとうございます(*^^*)数あるBL作品からこの作品を見つけてくださったこと、また気に入っていただけたこと、とても嬉しいです(*^^*)本当にありがとうございます! (2020年5月9日 23時) (レス) id: d648e7730a (このIDを非表示/違反報告)
愛香(プロフ) - 私BLのはあまり読んだことないんですが、面白かったです! (2020年5月8日 15時) (レス) id: 02509c761b (このIDを非表示/違反報告)
文月華胡(プロフ) - ささん» レス遅くなってしまってごめんなさい(>_<)気に入っていただけてとても嬉しいです(*^^*)活動休止中ですが、コメントいただけてとっても嬉しいです、本当にありがとうございます(* > <) (2020年3月1日 18時) (レス) id: d648e7730a (このIDを非表示/違反報告)
さ - 少女漫画みたいな恋ですね。桜庭ちゃんが良いキャラだと思います!とても好きです! (2020年2月2日 21時) (レス) id: e07dc37db8 (このIDを非表示/違反報告)
文月華胡(プロフ) - コットンさん» コメントありがとうございます!気に入っていただけたようで、とっても嬉しいです(*ToT)ありがとうございます♪(/ω\*) (2019年2月10日 23時) (レス) id: d648e7730a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:文月華胡 | 作成日時:2017年2月28日 19時