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桃side
青「なぁ、小瀧くんって長いから望って呼んでもええ?」
「そんなに変わらんくないですか?」
青「変わる。それと、俺のことは流星でええよ。あと敬語も無しな」
アップ中も藤井先輩はずっと声をかけてくれて
勝手に呼び方まで決められたけど
「さすがにそれは無理です」
青「なんで?」
「先輩を呼び捨てなんてできません。敬語なしもです」
青「そっか。それなら望とアップするのは今日限りか」
「っ…!!」
この時、いろんな感情が混ざってたことを今でも覚えてる
望って呼ばれたことに胸が高鳴ったのも
今日限りって言われて寂しくなったのも
俺の心は藤井先輩に弄ばれているようだった
「…いやです」
青「ん?」
「明日も明後日も先輩とアップしたいです」
青「それなら敬語なしにして呼び捨てして?」
「うっ…わ、わかりました」
青「おっ!ほんまに?」
「ただ!敬語は時々出るかもしれません!それに、いきなり呼び捨ては難しいので流星先輩からのスタートでお願いします!」
俺がそう言うと、藤井先輩は笑いながら
青「しゃあないな。ええよ。望が慣れるまで待つから」
なんてカッコええことを言うから俺の心臓はまたドキドキと音を立てる
きっと、この時からだったと思う
俺が藤井先輩をただの先輩として見れなくなったのは
初めて話した日のはずやのに、そのまま恋に落ちてたんや
そして、それから数ヶ月
先輩にとって最後になるかもしれない大会の日がやってきた
青「望?そんなところで何してるん?」
「あっ、いや…邪魔せんほうがいいかなって」
青「ふっ笑 ほんなら俺の話し相手なってや。望と話してたら緊張解れるから」
この試合に勝てば全国
そしたら先輩との部活もまだ続く
でもこれに負けてしまったら先輩たちはここで引退
だからこそ部員内ではピリピリした空気が流れてる
青「なぁ」
「ん?」
青「望は俺のことだけ見ててや?」
「へ…?」
青「望が俺のこと応援してくれてたら絶対に全国行ける気がするねん」
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作者名:まかろん | 作成日時:2022年7月29日 9時