ミルクドーナッツ ページ44
○HAECHAN
『Aヌナに会いたい』
ぱたりと倒れ込んだ練習室の真ん中で、そう呟いた声がゆっくりと響いて、なんだかお腹まで空いてきた。目の前でひらひらと手を振ってくるロンジュンが、小さなため息をついた。
「そんなの誰だって会いたいよ」
『ロンジュナ、こっそり会ってたりしないよね？』
「会ってません、そもそも今宿舎と練習室にしかいないじゃん」
『電話もしてないよね？』
「…してない」
『嘘だ！ロンジュナ！』
うわぁんと泣き真似をしたら視界の端っこでチソンにすごい目で見られてたけど、もうそんなことはどうだって良い。チョンロに動画も撮られてた気がするけど、ヌナに会いたい。今はそれだけだ。
「ヒョン、ヌナと会って何したいの？」
『え、その、お話とか、』
「それだけ？」
「わ、それ以上言わない方が…」
「会いたいなら部屋に行けば良いんじゃない？」
『チョンロ、それは違うんだよ』
「なんで？マクヒョン昨日行ったんでしょ？」
「あ、それは、」
『…そんなこと全然聞いてないんだけど？』
いや、その、それは、とマクヒョンが言い訳を考えてる間にマネヒョンが来て、帰るぞと声をかける。けらけら笑ってるチョンロに怖い顔をしてみたけどあんまり力も出なくて、急に眠くもなってきた。さっき間違えてコーヒーを一口飲んだからかも。ああやだな、ヌナにまだ会えていないのに、今日が終わっちゃうなんて。
「明後日は会えるじゃん、撮影あるから」
『マクヒョンは昨日会ったんでしょ』
「昨日はほら、たまたまで」
『たまたまヌナに会うなんてどんな運命なの？』
「俺たち同じグループだぞ？じゃあほら、明日会えるよ」
車の中で夢を見た。ヌナと2人でいる夢を。というかそうだよ、マクヒョンが言う通り僕たちって同じグループじゃん。マクヒョンみたいな偶然じゃなくて、僕からヌナに会いに行こう。明日は僕らはお休みだし！
そんなことを思って眠ったからなのか、朝リビングでヌナを見た時、自分のほっぺたをつねってしまった。思っていたより痛くて、目を丸くしたヌナがこっちに歩いてくる。まだ夢かな。
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yom(プロフ) - まやにゃむさん» ペーパームーンからずっと読んで頂きありがとうございます！🥲💖これから話が進むので楽しみにしていてください🫶🏻 (2022年7月12日 22時) (
レス) id: 0ce65e6476 (このIDを非表示/違反報告)
まやにゃむ - ペーパームーンからファンで読んでます！推しのジェと主人公ちゃんのこの後とってもたのしみです💖応援してます💖 (2022年7月12日 19時) (レス) id: 5e67e2a30a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yom | 作成日時：2022年6月22日 18時
