�� ページ47
○JAEMIN
『A』
「ジェミナ、ついてきちゃったの？」
『ヌナはどこ行くの？』
「わたしはね、これからあれ作りに行くの」
楽しそうな横顔が、どうしようもなく愛しく見える。相変わらず友達と弟の関係で、綿菓子を作り始めた後ろから肩に顔を乗せる。良い匂いがして、目を瞑る。さっきのロンジュンの真似をした。
「疲れちゃった？」
『ううん、まだ平気』
「次オッパとMCだっけ？」
『うん、ヌナも出て』
「わたしよりヘチャンたちじゃない？」
『ヌナだって全部踊れるよ』
まだこのグループになる前、俺たちと一緒の曲を踊っていたヌナを覚えている。テンヒョンに頭から爪の先まで仕込まれたダンスと、ドヨンイヒョンが惚れ込んだ歌と、会社が絶対逃さなかったビジュアルと。この人がここにいなかったら、こんなに近くにはいれないから。
「わ、見てジェミナ」
『綺麗にできたね』
「ジェミニの顔より大きいんじゃない？」
『そうかも、美味しい？』
あっち戻る？というのに首を振って、指を握る。ヌナも同じチームなら良かったのに。これが始まる前にジョンウヒョンが駄々を捏ねていたのに参加すれば良かった。石の段差みたいなところで、先に登って手を伸ばす。綿菓子ごと飛んで行きそうだ。
「韓牛、みんなで食べられたら良いね」
『俺たち違うチームだけどね』
「それはこれが終わったら関係ないよ」
『じゃあ俺と2人で逃げちゃおうか』
Aと呼べば、こっちを向いた。ブラウンの髪が太陽に透けて、上を向いた睫毛が音を立てるように瞬きをする。首にかけていた猫のカチューシャが頭に付けられて、ゆっくりと口の端が上がる。質問に答えてくれないのは、誰に対しての優しさなんだろう。
「明後日はスケジュールある？」
『…明後日？』
「わたしは夕方まで予定がないから、ご飯食べに行こう」
『ヌナの部屋でもいいの？』
「もちろん、綺麗にしておくね」
見て、と言われた先にはキョロキョロしているドヨンイヒョンがいて、俺たちを見つけて大きく手を振っている。そろそろ次の競技が始まる時間だ。
さっきよりもしっかりと繋いだ、力を入れたら壊れてしまいそうな薄い手も、袖が余っているネイビーのスウェットも、高く括った髪も、曖昧な関係も、青い空には何も隠せない気がした。耳をドヨンイヒョンに戻されて、ヌナを見る。可愛いよと言われたから、後でヌナにも付けてみよう。
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yom(プロフ) - まやにゃむさん» ペーパームーンからずっと読んで頂きありがとうございます！🥲💖これから話が進むので楽しみにしていてください🫶🏻 (2022年7月12日 22時) (
レス) id: 0ce65e6476 (このIDを非表示/違反報告)
まやにゃむ - ペーパームーンからファンで読んでます！推しのジェと主人公ちゃんのこの後とってもたのしみです💖応援してます💖 (2022年7月12日 19時) (レス) id: 5e67e2a30a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yom | 作成日時：2022年6月22日 18時
