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○
『なに？』
「いや、ドアに袋がかかってて」
『それ大丈夫なやつ？』
「うん、多分メンバーだと思います」
『そうなの？』
「だってほら、ミルクティー」
『ミルクティー？』
「最近好きなんだけど、これ知ってるのテンオッパ…」
そう言いかけて、Aがぴたりと黙る。かと思えば大きくため息をつくから、今日ははじめて見るAばかりだ。
『A、今日面白いね』
「…わたしは真剣なんですけど」
『うん、知ってる』
「わたし、自分が思ってるより単純だったのかも」
『今更？Aはわかりやすいよ』
ちょっとだけ顔を顰めて、部屋の中に入ったと思えば鞄とさっきの紙袋を持ってまた部屋を出て、エレベーターの扉が閉まる音がする。どこ行くのと聞いたら秘密と帰ってきて、さっきよりも楽しそうな顔をしてミルクティーを飲んでいる。やっぱりわかりやすい。好きな食べ物で機嫌が良くなるから。
「そうだ、頼みたいことがあるんですけど」
『誰に？』
「オッパから、わたしのお兄さんに」
『テンヒョン？自分で言いなよ』
「…とにかく、今から伝えること言ってくださいね」
じゃあわたしまた仕事に戻るので！とにっこり笑って電話は切れて、とりあえずテンヒョンに電話をかける。ウィンウィン？なに〜とすぐに声が聞こえてきた。
『ヒョンの赤ちゃんから伝言だよ』
「Aから？なんだって？」
『赤ちゃんですぐに分かるんだ』
「うん、ウィンウィン僕らを何だと思ってるの」
『まあ良いや、ミルクティーご馳走様だって』
「……ああ、そういうこと」
『さっきから2人して何なの？俺にも教えてよ』
「ウィンウィンは顔に出るからなあ」
『Aと同じこと言わないで』
「あはは、流石僕のA」
電話が切れて、もやっとしたままの自分だけが残されている。というかさっさとジェヒョンに連絡すれば良いんだろうけど、どこかむず痒くて画面に手が伸びない。Aがあんなに元気だったから心配は無いけど、あの子はどうしたって可愛いだろうから。こんなこと言ったらまた変な顔されるかも。
「わ、本当にウィンウィンだ」
『…クンヒョン？』
「やっほー」
『何で2人でいるの？』
「仕事ですよ、オッパに手伝ってもらうの」
『何を』
「うーん、わたしの歌」
ぱちりとウィンクをして、電話が切れる。不意に心を掴まされそうになったのは、心の中に留めよう。きっと気まぐれだろから。多分、きっと。
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yom(プロフ) - まやにゃむさん» ペーパームーンからずっと読んで頂きありがとうございます！🥲💖これから話が進むので楽しみにしていてください🫶🏻 (2022年7月12日 22時) (
レス) id: 0ce65e6476 (このIDを非表示/違反報告)
まやにゃむ - ペーパームーンからファンで読んでます！推しのジェと主人公ちゃんのこの後とってもたのしみです💖応援してます💖 (2022年7月12日 19時) (レス) id: 5e67e2a30a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yom | 作成日時：2022年6月22日 18時
