氷はきっと溶けないけど ページ28
○RENJUN
『ヌナ、Aヌナ』
「…あ、うん、どうしたの？」
『その言葉、そっくりそのままAヌナに返すね』
スプーンを持ったまま止まっているAヌナにそう言えば、瞬きが3回返ってくる。Aヌナはたまたま会えたと思っているけど、こっちは会社に来る時間を狙って会いに来た。チョンロに背中を押されながら。
ヘチャンから何故か話を聞いてきてなんて言われたけれど、目の前で見たヘチャンにはダメージが大き過ぎたらしい。言われた本人すらも、まさかこんなにやられているとは思ってなかったけど。
「美味しいね、これ」
『そう言う割にはさっきから減ってないね』
「今日はちょっと厳しい日なの？」
『Aヌナが悩んでる理由当てようか？』
向かい合わせは遠いから、立ち上がって隣に座る。頬を撫でる手は相変わらずだけど、よく見るとあんまり顔色が良くないし、手だって本当はびっくりするくらい冷たい。あったかいスープを飲んでるはずなのに。
『ねえAヌナ、』
「うん？」
『僕らが誰も、Aヌナのこと好きじゃないと思ってた？』
ガチャンとスプーンがお皿に当たって、それにびっくりしたAヌナが慌てて瞬きをする。咳をひとつして、こっちを向いて、そのままじっと見つめられる。綺麗な顔だななんて思うのは、あまりにも呑気に考えているのかもしれないけど。
『僕だってAヌナのこと好きだよ』
「…ロンジュナ、今わたしそういう言葉があんまり、」
『でもさ、それって当たり前でしょ』
「当たり前なの？」
『だってAヌナも、僕のこと好きでしょ？』
本当の気持ちなんて、今この場では言わない。むしろ、ここまで狼狽えているのを見たら言える訳がない。僕らはAヌナの可愛い弟だ。だからこうやって隣に座って、手を握って、近くにいることができる。これが特権なのか、Aヌナがただ優しいのかなんて、分かりたくないけど。
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yom(プロフ) - まやにゃむさん» ペーパームーンからずっと読んで頂きありがとうございます！🥲💖これから話が進むので楽しみにしていてください🫶🏻 (2022年7月12日 22時) (
レス) id: 0ce65e6476 (このIDを非表示/違反報告)
まやにゃむ - ペーパームーンからファンで読んでます！推しのジェと主人公ちゃんのこの後とってもたのしみです💖応援してます💖 (2022年7月12日 19時) (レス) id: 5e67e2a30a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yom | 作成日時：2022年6月22日 18時
