アネモネの花をあなたにpart4 (ページ9)

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見送る背中（S）ページ9

お互い沈黙の中、公園の前に見慣れた1台の車が止まった。

そこから、仕事用のエプロンを着た相葉くんが降りてきた。

その手には、花束が抱えられていた。

強引に、けどしっかりと、項垂れるニノの手を半ば強引に引いて立ち上がらせた。

「ニノ。一緒におめでとう言いに行こ？」

太陽みたいに笑う相葉くんから、ニノは目を背けた。

「無理だ。俺はあんた達みたいに、素直に智と松潤を祝福なんてできない。俺は、お前らと違って汚い人間なんだよ！」

あんなに献身的に智くんを支え続けてきたニノのことを、誰が汚いなんて思うだろうか。

「ニノ、君は汚くない。」

俺の真剣味を帯びた言葉に、ニノは泣きそうな顔をしながら笑って、諦めたみたいに立ち上がった。

「わかった…わかったよ。智と松潤のこと、祝福する。…本当は、端からそのつもりだった。

今夜はお祝いパーティーだな。みんな早く帰ってこいよ。」

ニノはそう言って、相葉ちゃんから花束を受け取った。

「智に…おめでとうって言ってくる。」

俺はニノの背中を見送りながら、どうしようもなくやるせない気持ちを抱えていた。