双子 ページ10
次の日
喪服姿の2人が、見舞いにやってきた。
突然の来客て驚いている俺に、2人は自己紹介をしてくれた。
「初めまして。
智の従兄弟の、鮫島零治だ。」
「初めまして。
同じく智くんの従兄弟で、零治の兄の領です。」
その後、二人は双子ということと
先ほど、智の父親の葬儀を終えてきたことを話してくれた。
「こんなことになってしまって...二宮さんには大変迷惑をおかけしました。
毎日、智の看病をしてくださっていたそうで...。本当にありがとうございます。」
「俺達も早く来れればよかったんだが、色々対応に追われていてな。」
その対応というのも、智の父親の葬儀を執り行うか、否かで相当もめたらしい。
智の母方の家は、優秀な人材ばかりで家も裕福だ。
それなのに、なぜ智たちが貧しさに苦しんだかと言うと、智の両親は結婚の際に一悶着あり、ほとんど実家とは縁を切った状態にあったからだ。
だから、葬儀をするために零治さんと領さんで、たくさんの人に頭を下げたそうだ。
「ほんと、うちの爺さん婆さんたちは頭が硬いから困るんだよ...」
「でも、姉さんとも連絡が取れなかったし...手こずったのも無理もありません。」
零治さんが、ぶつぶつ文句を言うのを領さんがなだめる。
そして、領さんはこちらに向き直って、真剣な声色で話し始めた。
「それで本題なんですが、これからは、智を私達が預かります。
二宮さんには、今までほんとにお世話になりました。」
そう言って二人はぺこりと頭をさげた。
しかし、領さんの言葉に俺は首を縦にはふらなかった。
「あの、俺に智の面倒を見させてください ！
ワガママだってことは十分承知しています。
けど、俺はもう、智の手を離したくない...！」
俺の言葉に、2人は顔を 見合わせた。
そして、領さんはあることを提案してきた。
「...わかりました。
それでは、智が目覚めたら、ぜひ今言ったことを提案してみてください。
智がそれを承諾すれば、私達はそれで構いません。
しかし、承諾しなかった場合、智は私達が預かります。
この条件を飲んでくださるのなら、今日はそれだけで帰らせて頂きます。」
領さんの言葉に、俺はすぐ返事をした。
チャンスを貰えたことが、嬉しかった。
2人が来てくれたことで、俺は明日から決意新たに頑張ろうと思えた。
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izumi(プロフ) - 碧さん» コメントありがとうございます！領さんと零治さんは一見性格が真逆に見えますが、根っこの部分は一緒で息ピッタリです。領さんは家柄＆兄ということから、我慢することに慣れているじゃないかと考え書きました。感動していただけるなんて...！感無量です(><) (2016年12月31日 13時) (
レス) id: 1b12000313 (このIDを非表示/違反報告)
izumi(プロフ) - みーこさん» コメントありがとうございます！ニノも従兄弟の2人も智くんを思う気持ちは強いです。しかし、信頼関係を考えるとやはりニノしかいない！と思って私も書いています(*^^*) (2016年12月31日 13時) (レス) id: 1b12000313 (このIDを非表示/違反報告)
碧(プロフ) - 領くんと零治くんすっごくいい兄弟だなと思います( ；∀；)領さんの心情とか読んでいるだけで感動しました(*´ω｀*) (2016年12月31日 12時) (レス) id: 24fc974975 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - この状態なら、やはり和くんが傍に居続けた方が、滅多に会ってない従兄弟と居るよりも良いですね。 (2016年12月17日 13時) (レス) id: 5ae3e13203 (このIDを非表示/違反報告)
izumi(プロフ) - みーこさん» みーこさん、いつもコメントありがとうございます！おばあちゃんは、ニノの良い理解者という立場で書かせていただいています。親子とはまた違う一歩引いた立場だからこそ、ニノの決意に即答できたのだと思います。(^^*) (2016年12月11日 22時) (レス) id: 1b12000313 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：izumi | 作成日時：2016年12月4日 17時
