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side You
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閉会式，ホームルーム，後夜祭を終えて帰宅したら，もう20時を過ぎていた。
明日と明後日は振替休日だから，朝は少しゆっくりできる。
大我は先にシャワーを浴びたのか，すでにパジャマを着ていた。
「A，おかえりなさい。お疲れ様」
「ありがと。ただいま。お腹すいた〜」
「肉野菜炒め作ったよ」
「あ，ほんと？嬉しい」
「豚肉とキャベツ，安かったから」
「早く食べたい」
「Aさん早く着替えてきて」
「はい」
寝室に駆け出すと，子どもみたい，と大我が呟く。
失礼ね，と返すと，ごめんごめん，と笑われた。
着替えを終えて，キッチンに向かう。
大我は肉野菜炒めを皿に取り分けたあと，右手で軽く右脚を叩いていた。
「…大我？」
「あ，着替え終わった？」
「うん。…足痛いの？」
「痛いっていうか…なんか違和感あって。運動不足かなぁ」
「…ねぇ，明日もう一回病院行こう？手だってまだ良くならないんでしょ？」
「でも動かせないわけじゃないし…」
「いいから。何でもないなら何でもないでいいじゃない。…心配だから」
大我は頷くと，少し微笑んだ。
「ありがとう。じゃあ，明日病院行くよ」
「…うん，そうして。私もついてく」
「え，仕事は？」
「振替休日」
「あぁ，そっかそっか」
食卓に肉野菜炒めとご飯，味噌汁を並べる。
向かい合わせでいつも通り座って，手を合わせる。
肉野菜炒めは，オイスターソースと胡椒が効いていて美味しい。
「明日，病院の帰りにデートでもする？」
「いいね。私コメダ珈琲行きたい」
「カツパン？」
「ううん，シロノワール」
「デニッシュパンにソフトクリーム乗ってるやつ？」
「そうそう」
夕飯を食べながら食べ物の話をしてしまうのが，なんだか可笑しい。
「あ，どう？肉野菜炒め」
「うん，美味しいよ。味付けのバランス最高」
「よかった。Aって，なんでも美味しそうに食べてくれるよね」
「実際美味しいんだもん」
「はは，それはよかった」
普段と変わらない，穏やかな時間が流れた。
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作者名：chapi
| 作成日時：2022年9月5日 0時
