ただ、僕の名前を呼んで【JM】

38 ページ39

You side






テミンさんがたまにうちに遊びにきてくれるようになって、早くも一年が経とうとしていた





彼はいつも優しくて楽しくて

そんなに長居はしないけれど






顔を見せてくれるだけで私は嬉しかった









そんな日々が続いていた

とある夜





夢を見た









まあっくら






ガランと広がる真っ暗闇





寒い









「ユナ？？？」





夢の中だ、ユナはいない


当たり前









もうこの夢を見るのは何回目だろう



父さんと母さんが亡くなってから

見るようになったこの暗闇の夢









「........................誰か」








もうこの夢を見るのも疲れた







誰か






「助けて欲しい」









目をつむった

その次の瞬間









私の目の前に感じた


あたたかい温もり








「！？？？」





この香水の香り









「...............テミンさ........！？？」






JM「............」






私をぎゅーーーっと抱きしめているから
彼の顔は見えない





あったかい




彼の細い腕が







私の体をぎゅっと包んでくれている









JM「.............泣かないで、大丈夫」





知らないうちに涙を流していたようで
彼の服の肩を濡らしてしまっていた





「しまったごめんなさ.........！！！
！？あれ、ジミンさん！？？」






JM「うん、どうかした？」






「あ、いやだって.............テミンさんは.....どこに」






JM「ジミン」





「え？？」





JM「僕の名前だよ、ジミン。ジミナ、ジミニ....好きに呼んで。僕の名前を呼んでほしい」







わあ、素敵.........




私の両頬をそっと掴んでそうつぶやく彼は


まるでどこかの王子様のよう



すごい、いい夢.......









素敵な人



とっても





すきだな







ーーーーーーーーAさん




ーーーーー...さん









JM「A！！」





「わっ！！！びっくりした！！！
て、テミンさん？？」




JM「よかった......鍵が開けっぱなしだったよ、
ソファで動かないから.......寝てるだけだったね
起こしてごめん」






ハイ、差し入れ




そう言ってジュースを渡してくれる優しいテミンさん






..............テミンさんの前で
ジミンさんの夢を見てました〜なんて








言えるわけもなく....なんだか心の浮気してるみたいで、少し申し訳ない

39→←37

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す