酒言葉4 青×桃

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桃side


「…あほ。わざとやったん？」

青「え？」

「ビールわざと溢して、俺のことドキドキさせようとしてきたん？」

青「そんなんちゃうって」

「こうやっていろんな人落としてきたん？」

青「何言ってんねん。そんなわけないやろ」


わざとそんなことするわけないってわかってる


でも一度考えたら止まらんくて


青「望。こっち向いて」


優しい声に、腕の中で顔を上げると


"ちゅっ"


青「俺が好きなんは望だけやから。こんなんするのも望だけ」

「…ほんまに？」

青「信じてや。もうあの時の俺とちゃうから」


コツンとおでこがくっつけられ、至近距離で流星と目が合う


嘘のない目。その瞳が俺に信じてと伝えてくる


そして、思い出すしげの言葉



"この人なら小瀧のこと任せられると思った"



しげは俺の知らない本気の流星を見てる


俺の幸せのために怒ってくれた流星のことを


「ねぇ、流星」

青「ん？」

「しげの彼氏さんに怒ったってほんま？」


至近距離のまま聞くと流星に肩を押されて引き離される


青「それ誰に聞いたん？」

「しげに聞いた」

青「はぁ…」


聞かへん方が良かったかな…？


そう思ったけど、流星は頭を掻いて髪をぐしゃぐしゃに乱して


青「ダサいやんな」

「え…？」

青「勝手に勘違いして他の男に当たって」


俯き加減で呟く流星の姿に胸がギュッとなる


勘違いさせたのは俺


流星はなんもダサくなんかない

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