空中楼閣組織・秘封活動録【一冊目】

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「………」


部屋に収まりきるかきらないかほどの大きさのホワイトボード。


「………」


ホワイトボードの前に立ち、ペンを片手に伊達眼鏡を装着したふうりさん。


「………」


恐らく私の為に切ってきてくれたのであろう、少し歪な形をしたリンゴを自分で黙々と食べるすいれんさん。


「………」


そして、その場に何故か正座でかしこまっている私。




これは一体。



「それじゃあ、今からふうりさんによる彩羽さんのための講義を始めます」

「伊達眼鏡の意味は？」

「雰囲気作れる」


一番どうでもいいところが気になった。そして本当にどうでもいい理由の回答だった。

すいれんさんはおかわりのリンゴを切りに行った。食べるの速いな。


「とりあえず、私らに聞きたい事ってある？」

「すべて」

「とても正直な回答をありがとう。そう言われてもどこから話せばいいのか分からないんだよねー」

「まあそうですよね…」


ふうりさんが考える素振りを見せる。
すると、向こうからいたいっ！という悲鳴が聞こえてきた。


「っ！？びっくりした…今のって？」

「あー…すいれんだね。指とか包丁で切ったんじゃない？あいつあれほど怪我するなって言ってるのに」


ふうりさんが頭をかきながら答える。
なんだか子供のおてんばに困ってるお母さんみたいだなと思った。


「話、進めようか。まずー」


ふうりさんが私に向き直ったので、私も思わずびっと姿勢を正した。

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