空中楼閣組織・秘封活動録【一冊目】

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…あれ、クラスの子達みたいに謙遜しないんだ。

普通『そんなことないって、あたしブスだもん！』って言うのがお決まりかと思ってたんだけど。

それよりも、私は私で初めて面と向かって綺麗とかかわいいとか言われた。そのせいで顔が真っ赤になりながらも、なんとかありがとうございますと小声で呟く。

「というか、こんな美形の子に言われるとなんか複雑だなあ………あ」


ふと、ある疑問が浮かんだ。


「どうしたの？」

藍色の子が応じる。聞きたいのは藍色の子だったから、ちょうどいい。



「あの、」

「はい？」

「なんで貴方、私の名前知ってるんですか？」



水色の子は私のことを先駆者ちゃんと呼んだ(これもぶっちゃけよく分からない)けど、藍色の子は私の名字をすんなり口にした。もちろん、私は名乗ってなんかいない。目覚めたばかりだし。


それらのことから私は、もしかして、鞄漁ったのはこの子だったりするのかな…なんて疑問が浮かんだのである。

…今のちょっと探偵ぽかった。


「あー。それはね、」

「……」

「ちょっとプライバシーを侵害するようで悪かったけど」


やっぱり…？

そしてちょっとにやつきながら、藍色の子は言った。









「彩羽さんの心の中、漁らせてもらったんだよね」


「………は？」


つい、変な声が出た。

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