空中楼閣組織・秘封活動録【一冊目】

ﾞ ページ30

｢博愛主義って言ったら聞こえはいいよ？」

「KYと言ったら聞こえは最悪ですよ」


始終にこにこしている封馬さん。


「まあ、直くんに関しては反応が面白いからやってるんだけどね」

「最低だ！！！」

「いや冗談」


ふうりさんにとがめられて、ようやく口論(？)が終わる。

優しいのかSっ気があるのか分からない人だ。ふうりさんと性格は真逆だけど、なんか似たモノを感じるぞ。


「なおくん、自己紹介終わったしポテト食べよ！」

「すいれんもうあんなに食べたじゃん！」

「今日はパーティーだから気にしたらだめだよー」

「太るよ！」

「んなっ！？女の子に向かってそんな口きくからモテないんだよ！絶賛思春期だからって！」

「別にモテなくたっていいもん！それにすいれんだってまだ高一だよ！」

「だからって太るなんて言っちゃダメ！」


私達を余所に、あちらでも何か口論を繰り広げている。可愛いなあいつら。

小６かー、そっかー。若いなー。

なんて思ってる間に、「やかましい」とふうりさんがチョップをかましにいった。


「うわーん！ふうりちゃんの暴力女ー！」

「誰がだ誰が！」

「ふうり落ち着いて…！」

「いたいー！ばかー！」


ふうりさんに抱きついて必死に止めようとする直くんと、それをものともせずすいれんさんに二発目をくらわすふうりさん、懲りずに泣きながらふうりさんに対抗するすいれんさん。まさにカオス。呆れてものが言えないとは、このことだ、きっと。

いつの間にか、隣に封馬さんが移動してきてた。


「どう、慣れそう？」

「いえ…」

「そっか」


あははと他人事のように笑う封馬さん。


「実は、団員はほんとはあと一人いるんだけどね、今日は来れなかったんだ」

「風邪とかですか？」

「いや、違うよ」


でもまた機会があったら会ってほしいな、と続ける。


「そいつ、俺の妹だから」

「ええっ！？」


封馬さんの妹ということは、ふうりさんの妹。そういえば、ふうりさんも言ってたな、妹も入ってるって。

どんな子だろう。封馬さんを目の当たりにしてしまった今、どんな遺伝子を継いでいるのかが読めなくなってきた。

考えてたらきりがないので、どんな妹さんなのかはお楽しみにしておくことにした。

ﾞ→←ﾞ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す